Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
光子と光子を衝突させることで、真空の構造に起因した未発見/未検証の素粒子過程を探索する。X線自由電子レーザー施設SACLAでのX線自由電子レーザーと軟X線自由電子レーザーを衝突させることで、これまでに無かった高い重心系エネルギー、高いルミノシティでの光子・光子コライダー実験となる。これまでのフェルミ粒子を衝突させるコライダー実験とは異なる手法で、新たな素粒子現象を探る。
X線自由電子レーザー施設であるSACLAに存在する独立した2つのビームライン、BL1の軟X線(0.1keV)ビームラインとBL3の硬X線(10keV)ビームラインを正面衝突させ、量子電磁気学の真空に代表される、真空の構造を探索する研究である。軟X線のビームの取り回しを具体的に検討し、3枚の軟X線ミラーの組み合わせにより、スループット47%で、既存設備との干渉無く硬X線に対して正面衝突させることが可能であることがわかった。非対称なエネルギーでの光子・光子衝突時の散乱シグナルのエネルギー、空間分布を計算し、これを基に観測に最適な衝突チェンバーを設計した。衝突チェンバーは、低温検出器の使用可能性を視野に入れて、4K冷凍機が取り付け可能な構造とした。ビューポートや検出器、温度計配線用のフィードスルーも考慮し、実際にチェンバーを製作し、組み立てもおこなった。コロナの影響で実地での測定はできなかったが、これにより、2つの自由電子レーザーを衝突させての実験の準備がほぼ整った。また、本研究に類似した実験手法として、硬X線のビームを2つに分岐して正面衝突させる方法も検討をおこなった。量子電磁気学の真空を介した散乱は、重心系エネルギーの6乗で断面積が大きくなるため、硬X線ではイベントレートが大きくなる。ただし、結晶工学系を用いた分岐、反射の取り回しでは、その際のロスが多いために全体ではそれほど得しないことがわかった。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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