Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
本研究では、巨大地震との関連性が指摘される、スロー地震発生場の解明を目指す。西南日本を対象に、(1)地震学的な解析で得られる微動の震源カタログを用いた微動活動の解析、(2)測地学的な地殻変動データ(GNSS データ)を用いた短期的スロースリップイベントのすべり分布の推定、(3)地質調査・試料解析による地質学的観点からの微視的なスロー地震発生場の把握、を行う。これらを通して、地球物理学・地質学双方の観点から地球物理学・地質学双方の観点からの統一的な理解を目指す。
2020年度は、低周波地震の発生数を基準に、短期的スロースリップイベント(SSE)の地殻変動シグナルを抽出する手法を、西南日本全域に拡張し短期的SSEに伴う累積地殻変動を抽出した。その結果、四国西部の地震発生帯下端に位置する深さ20 km程度のプレート境界見られたすべり[Kano et al. 2019]が、四国東部の地震発生帯下端、東海地方の地震想定域浅部でも発生していることが分かった[Kano and Kato, 2020]。このSSEの同じ発生は流体のプレート境界に沿った移動により解釈できる可能性がある。加えて、短期的SSEのすべりが大きな領域と低周波地震の発生数の多い領域が空間的に棲み分けていることが分かった。これはスロー地震発生場の中において、脆性破壊を引き起こす断層パッチの割合が走向方向に異なる可能性を示唆している。九州東部四万十付加体槇峰メランジュ中のクラックシール石英脈は、高流体圧下でのクラック開口と、石英沈殿によるクラック閉鎖が繰り返すことで出来た”inclusion bands”を良く保存する。本研究ではInclusion bands間の幅と石英沈殿速度を用いて、クラック開口の発生間隔を見積もった。その結果、クラック開口の発生間隔は、0.2-2.7年の範囲で周期的に増加と減少を繰り返していたことが分かった。この発生間隔はスロー地震発生間隔と同程度であり、クラックシール石英脈はスロー地震発生間隔の経時変化を記録している可能性が見出された[Nishiyama et al. submitted]。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Journal of Geophysical Research: Solid Earth
Volume: 125 Issue: 7 Pages: 1-16
10.1029/2020jb019613
Earth, Planets and Space
Volume: 72 Issue: 1 Pages: 159-159
10.1186/s40623-020-01293-0
Transport in Porous Media
Volume: 135 Issue: 1 Pages: 79-99
10.1007/s11242-020-01470-5
ACS Earth and Space Chemistry
Volume: 4 Issue: 11 Pages: 1920-1930
10.1021/acsearthspacechem.0c00100
Earth and Planetary Science Letters
Volume: 538 Pages: 116199-116199
10.1016/j.epsl.2020.116199
Scientific Reports
Volume: 9 Issue: 1 Pages: 9270-9270
10.1038/s41598-019-45781-0
Volume: 71 Issue: 1 Pages: 95-95
10.1186/s40623-019-1076-9
https://sites.google.com/view/da-for-solid-earth
https://www.dheq.org/repo/s/bromide/page/timeline