Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
Monensin生合成をモデルケースとしてポリエーテル骨格構築機構の解明に取り組んでいる。多様性を決定づけるエーテル環の導入は,特徴的な環化酵素が担うことが,最近は広く知られてる。Monensinの場合,その骨格を構築するために3 回の環化反応が必要である。しかしながら,モネンシン生合成遺伝子クラスター中には、環化酵素と考えられる遺伝子が2つしか存在しないため,2つの蛋白質がどのように3 回の環化反応を触媒するかを解明することで,複雑なポリエーテル骨格構築メカニズムを一般化できると考えた。結晶構造解析とNMR分光法を組み合わせて,新奇な蛋白質の性質を明らかにしたい。
特定の立体構造を形成しないIntrinsically Disordered Protein (IDP)あるいはIDRと呼ばれる蛋白質領域が機能発現をする事実は,1990年代にはよく知られるようになり,種々の例が研究され,多くの総説にまとめられている。統計法にもよるが,真核生物・ウイルスでは44-56%もの翻訳領域がIDRであるとさえいわれる。IDRとして特に研究が進んでいるものは,高等生物シグナル伝達系・転写翻訳系に多く含まれ,他の蛋白質との相互作用時に過渡的構造形成をおこなう例である。加えて近年では,液-液相分離や蛋白質水和ゲル化にIDRが深く関わり,生体分子の安定化,機能の局在化を決定する因子として注目されるなど,当初の予測を超えたIDRの性状・機能多様性が発見されたが,既知情報は氷山の一角であると思われる。本研究ではポリエーテル骨格構築経路に隠された巧妙なトリックを,monensin生合成をモデルケースとして解明することができた。多様性を決定づけるエーテル環の導入は,環化酵素MonBIおよびMonBIIのペアが担う。これまで基質アナログ体を使用した構造研究により,MonBIは酵素としての機能をもたず,MonBII活性化のための補助的な役割を果たすことがわかた。X線とNMRを組み合わせた研究から,大きな基質を収容するための長大ポケットを持ち,かつ反応過程に応じて形が異なる基質を認識するMonBIIは,単独で立体構造を形成できない蛋白質であることをつきとめた。酵素全長が構造非形成蛋白質(IDP)である例は無く,さらに相同性の高い2種の蛋白質が,一方はIDPとして活性担当,もう一方は構造形成・維持のための足場となる例はこれまでに無い。つまり,酵素MonBIIの活性構造形成を誘導する「ペア型」新奇シャペロン機構を提唱し,存在意義やこの機構の完全な証明ができた。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2021 2020 2019
All Journal Article (8 results) (of which Int'l Joint Research: 6 results, Peer Reviewed: 8 results, Open Access: 6 results) Presentation (8 results) (of which Invited: 2 results)
Journal of Virology
Volume: 94 Issue: 17
10.1128/jvi.01169-20
Biochemical and Biophysical Research Communications
Volume: 529 Issue: 2 Pages: 507-512
10.1016/j.bbrc.2020.05.195
120007097390
Chemical Science
Volume: 11 Issue: 19 Pages: 4999-5006
10.1039/d0sc00317d
Protein Expression and Purification
Volume: 172 Pages: 105631-105631
10.1016/j.pep.2020.105631
120007147244
iScience
Volume: 23 Issue: 1 Pages: 100758-100758
10.1016/j.isci.2019.100758
Viruses
Volume: 11 Issue: 8 Pages: 761-761
10.3390/v11080761
The Journal of Immunology
Volume: 203 Issue: 12 Pages: 3386-3394
10.4049/jimmunol.1900562
120007018379
Cell Reports
Volume: 29 Issue: 7 Pages: 1934-1945.e8
10.1016/j.celrep.2019.10.020