Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
水酸化脂肪酸に他の脂肪酸がエステル結合した脂質であるエストライドは、化学的、薬理学的に優れた特性をもち、安定的な供給システムの構築が求められる。ツノケイソウは水酸化脂肪酸のリシノール酸をエストライド化してトリアシルグリセロール分子内に蓄積したことから、エストライド化酵素遺伝子をツノケイソウより同定し利用することを目的とする。ツノケイソウの脂質量全体を底上げするために、モデル緑藻の脂質蓄積抑制因子のツノケイソウのオルソログ遺伝子をゲノム編集によって遺伝子破壊する。油糧植物のナガミノアマナズナ種子および油糧酵母においてもエストライド化酵素を発現させ、多角的なエストライド脂質生産の基盤を整える。
エストライド脂質は水酸基をもつ脂肪酸に他の脂肪酸が1分子エステル結合して連結した二量体構造を含む脂質である。エストライド脂質の生産と活用のため、ツノケイソウのエストライド化を担う生合成遺伝子を同定することを目的とした。そのため、ツノケイソウのcDNA発現ライブラリーを発現させた分裂酵母を用いた機能スクリーニングを行った。培養温度20℃での振盪培養において、4 mg/mlのリシノール酸を培養液に添加した場合には60日以上完全に生育を抑制することがわかった。cDNAライブラリーを導入した分裂酵母を4 mg/mlのリシノール酸添加条件でバルク培養したところ、38日後に増殖が始まり45日後には定常期まで達した。また細胞からはエストライドTAGが検出された。さらに増殖した細胞はツノケイソウの機能未知の遺伝子が導入されていることがわかった。ツノケイソウの中性脂質蓄積量の底上げを目的とし、ノケイソウの変異株集団の中から脂質蓄積異常株を探索して新規制御因子の単離を試みた。ツノケイソウで順遺伝学的解析を行うための工夫として高発現プロモーターのゲノムへのランダム挿入によるアクティベーションタギングを用いた。高発現プロモーターとしてツノケイソウの内在性の硝酸還元酵素遺伝子CgNRのプロモーターを用いた。約5,000株の独立した形質転換株を単離し、ナイルレッド蛍光を指標に中性脂質蓄積異常を示す変異株、すなわち野生株と比べて脂質蓄積量の高い株および低い株の両方を選抜した。その結果、ナイルレッド蛍光値、中性脂質蓄積量がともに野生株と比べて約50%まで減少した46C1株が単離された。46C1株ではプロテアーゼドメインをもつ遺伝子の転写開始点上流に導入したプロモーター配列が順向きに挿入されていた。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2020 2019
All Journal Article (5 results) (of which Int'l Joint Research: 2 results, Peer Reviewed: 5 results, Open Access: 5 results) Presentation (7 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results, Invited: 2 results)
Nature communications
Volume: 11 Issue: 1 Pages: 3452-3452
10.1038/s41467-020-17285-3
Front. Plant Sci.
Volume: 11 Pages: 35-35
10.3389/fpls.2020.00036
The Plant Journal
Volume: 100 Issue: 3 Pages: 610-626
10.1111/tpj.14473
Plant Cell
Volume: 31 Issue: 5 Pages: 1127-1140
10.1105/tpc.18.00723
Plant and Cell Physiology
Volume: 60 Issue: 4 Pages: 916-930
10.1093/pcp/pcz010
120006823940