Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
エクソソームは細胞から放出される直径30~100 nmの膜小胞体であり、細胞間のコミュニケーション、がん転移に関連し、がんのバイオマーカーとしての利用やその機能解明が期待されている。本研究ではレーザー光により発生する光圧を利用して、従来法より迅速、簡便にエクソソームを捕集濃縮する方法、並びに捕集したエクソソームを化学計測する新規手法を開発し、早期がん診断法への応用に展開する。金ナノ粒子による捕集速度短縮の機構解明、キャピラリー電気泳動によるエクソソーム内のタンパク質計測法、並びに選択的なエクソソーム捕集法を開発する。
まず、前年度の研究において課題となった抗体とエクソソームとの反応性について検討した。前年度の研究結果から、エクソソームを溶解するために用いていた界面活性剤が抗体を不活性化することがわかった。したがって、界面活性剤を用いずにエクソソームと蛍光標識抗体を反応させる方法について検討した。エクソソームを界面活性剤により溶解させずに、蛍光標識抗体と反応させると、蛍光標識抗体は変性せずにエクソソームに結合することが明らかとなった。この結果に基づき、エクソソームを過剰の蛍光標識抗体と反応させた後に、溶液からエクソソームを除去して遊離の蛍光標識抗体を測定することで、エクソソームに結合した蛍光標識抗体量を測定できることを見出した。この方法によりエクソソーム上の目的タンパク質の量を測定することに成功した。次いで、キャピラリー上にエクソソームを捕集し、回収するために、フロー系でエクソソームを捕集するシステムを構築した。角型のキャピラリーにエクソソーム懸濁液を流し、キャピラリー表面にレーザー光を集光することで、光圧によるエクソソームの捕集を実現した。このとき、キャピラリー内壁が正電荷をもつように表面修飾し、正電荷をもつ金ナノ粒子を添加することで、捕集効率を向上させることができた。捕集したエクソソームを回収し、開発したエクソソーム計測法により測定することで、細胞培養液中のエクソソームを捕集、濃縮、回収、計測することに成功した。捕集時間を14分としたとき、濃縮倍率は正電荷をもつ金ナノ粒子を用いた場合には150倍、抗体で修飾した金ナノ粒子を用いた場合には250倍であり、迅速かつ高倍率なエクソソームの捕集と計測を実現した。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2020 2019 2018
All Journal Article (12 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results, Peer Reviewed: 12 results, Open Access: 3 results) Presentation (20 results) (of which Int'l Joint Research: 7 results, Invited: 8 results)
BUNSEKI KAGAKU
Volume: 69 Issue: 12 Pages: 665-672
10.2116/bunsekikagaku.69.665
130008021472
Analytica Chimica Acta
Volume: 1119 Pages: 35-40
10.1016/j.aca.2020.04.052
Volume: 1135 Pages: 99-106
10.1016/j.aca.2020.08.051
120007144323
Journal of Chromatography A
Volume: 1629 Pages: 461513-461513
10.1016/j.chroma.2020.461513
The Chemical Record
Volume: 19 Issue: 2-3 Pages: 452-461
10.1002/tcr.201800051
120006733900
Analytical Methods
Volume: 11 Issue: 2 Pages: 179-184
10.1039/c8ay02298d
120006769745
Royal Society Open Science
Volume: 6 Issue: 5 Pages: 190293-190293
10.1098/rsos.190293
120006733901
Talanta
Volume: 204 Pages: 586-591
10.1016/j.talanta.2019.06.024
Volume: 1085 Pages: 98-106
10.1016/j.aca.2019.08.002
ACS Omega
Volume: 4 Issue: 12 Pages: 15249-15254
10.1021/acsomega.9b02226
120006733899
Scientific Reports
Volume: 9 Issue: 1 Pages: 12951-12951
10.1038/s41598-019-49393-6
120006777513
Applied Spectroscopy Reviews
Volume: XX Issue: 2 Pages: 117-141
10.1080/05704928.2018.1457045
120006775069