Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
複合アニオン化合物において触媒・誘電性・イオン伝導性等の興味深い機能・物性が報告されているが、電子伝導に関する研究は少ない。本申請では、ヒドリド(H-)イオンを含む複合アニオン化合物の光誘起伝導現象に着目し、新奇機能・電子物性を開拓する。具体的には、YOxHy薄膜(Y2O3(絶縁体)とYH2(金属)の中間)とCa2NxHy薄膜(Ca2NH(絶縁体)とCa2N(金属)の中間)を反応性スパッタ法で作製し、in-situプラズマ分光解析を用いたアニオン組成の精密制御を通じて多機能な光・電気デバイス応用を目指す。
アンモニア合成の助触媒として高い活性を示すことが期待されるCa2NHのエピタキシャル薄膜合成において、類似のCa副格子を持つCa2NH(Hは形式的にH-)とCaNH(Hは形式的にH+)の選択成長過程について検討を進めた。特に、成膜時のCa原子発光強度をもとに、「CaのH2/N2の同時還元」と「CaH2の形成から窒素との反応」の違いにより、Hの形式電荷が変化したことが推察される。このような、成膜中のプロセスモニタは複雑系材料の選択的な成長に非常に有用であることがわかった。また、一般にNの導入にはNH3なども導入した高温プロセスが必要とされるが、反応性スパッタでは比較的低温(~500oC)で容易に合成できることから、今後は薄膜を用いた窒素・水素化合物の様々な物性・機能探索が可能である。さらなるアニオンの追加に向け、フッ素(F)の薄膜への導入も進めた。F2は人体に有毒であり、危険性の高いガスであることから、Fの導入にはCF4を反応ガスとして用いた。その結果、フッ素イオン導電体であるLaF3のエピタキシャル薄膜合成にスパッタ法を用いて初めて成功した。低温で合成することで、酸化物基板上においても薄膜が作製可能であることもわかった。一般には不活性であるN2なども反応性スパッタでは高効率に膜内へ導入できることから、様々なアニオン置換による高いイオン導電性をもつ複合アニオンフッ化物薄膜の作製が今後期待できる。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2021 2020 2019
All Journal Article (6 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results, Peer Reviewed: 6 results, Open Access: 4 results) Presentation (12 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results, Invited: 8 results) Book (1 results)
Oyo Buturi
Volume: 89 Issue: 1 Pages: 20-24
10.11470/oubutsu.89.1_20
130007783795
Physical Review Research
Volume: 2 Issue: 3 Pages: 0334671-9
10.1103/physrevresearch.2.033467
Cryst. Growth Des.
Volume: 20 Issue: 9 Pages: 5903-5903
10.1021/acs.cgd.0c00602
Appl. Phys. Express
Volume: 13 Issue: 8 Pages: 085507-085507
10.35848/1882-0786/aba22d
Journal of the Physical Society of Japan
Volume: 89 Issue: 5 Pages: 051012-051012
10.7566/jpsj.89.051012
210000158109
Inorganic Chemistry
Volume: 58 Issue: 22 Pages: 15354-15358
10.1021/acs.inorgchem.9b02399