Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
・FR光の存在下で、陽イオンの汲込みによる膜電位増加によってプロトン駆動力が大きくなっていることを示す証拠が得られているので、この現象をin vitro系で確認する。・リン光による O2濃度計を組み込んだ葉片酸素計を用いて、吸収光量子束密度あたりの量子収率を厳密に測定し、FR光による膜電位増加の効果を確認する。・クワズイモの巨大グラナが持つ生態学的な意味を解明する。
遠赤(色)光は、単独では光合成を駆動しない。また、定常光条件下では、遠赤光は光合成にほとんど影響を与えない。したがって、遠赤光の光合成への影響に関しては、ほとんど研究されてこなかった。われわれは、光合成を駆動できる波長域の光強度が頻繁に変化する変動光環境下において、遠赤光が光合成の効率を上昇させることを明らかにした。遠赤光による光合成速度促進効果は、吸収した光エネルギーの光合成による利用と過剰な光エネルギーの熱散逸の素早い切替えによって達成され、特に、変動光下で強光から弱光に切り替わった際に顕著であることが明らかになった(Kono et al. 2020)。弱光に切替わった際の熱散逸系の解消の遠赤光による促進には、チラコイド膜プロトン-カリウム対向輸送体(KEA3)が関与していることもわかった(論文改訂中)。われわれは、遠赤補光が変動光による光化学系Iの光阻害回避に有効であることをすでに報告した。しかし、遠赤光が存在しなくても、弱光下で栽培したクワズイモなどの耐陰性植物の光化学系Iは、変動光に対して著しい耐性を示した。弱光栽培したクワズイモの耐性は、変動光中の強光時に光化学系 I への電子の流入量が少なく、光化学系 I に励起エネルギーが多く分配されることで、光化学系 I の反応中心P700が電子を失った酸化状態(P700+)となることによっている(Terashima et al. 2021)。この他にも、フラッシュ閃光による光化学系II反応中心量の定量システム、遠赤光も考慮にいれた光合成量子収率測定システムの構築がほぼ完了した。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2021 2020 2019 2018 Other
All Int'l Joint Research (1 results) Journal Article (7 results) (of which Int'l Joint Research: 2 results, Peer Reviewed: 7 results, Open Access: 5 results) Presentation (11 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results, Invited: 1 results) Remarks (1 results)
Photosynthesis Research
Volume: - Issue: 1-2 Pages: 1-14
10.1007/s11120-021-00832-4
Volume: online Issue: 1-2 Pages: 83-92
10.1007/s11120-020-00805-z
Plant and Cell Physiology
Volume: 61 Issue: 1 Pages: 192-202
10.1093/pcp/pcz191
J. Exp. Bot.
Volume: 70 Issue: 18 Pages: 4807-4818
10.1093/jxb/erz208
Functional Plant Biology
Volume: 46 Issue: 5 Pages: 467-481
10.1071/fp18250
Annals of Botany
Volume: 123 Issue: 4 Pages: 715-726
10.1093/aob/mcy204
Plant Cell and Environment
Volume: 42 Issue: 4 Pages: 1257-1269
10.1111/pce.13484
http://www.bs.s.u-tokyo.ac.jp/~seitaipl/index.html