Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
酸素発生型光合成生物の電子伝達鎖は、タイプ2およびタイプ1光合成生物から成立した。そのため植物の光化学系I反応中心(PS I)を取り巻く電子伝達反応の制御機構を真に理解するためには、タイプ1光合成生物である緑色イオウ細菌やヘリオバクテリアの電子伝達鎖の解析は必須である。本研究ではタイプ1光合成生物のプロトン駆動力生成に関与するシトクロム複合体の構造基盤を分子レベルで明らかにする。さらにシトクロム複合体と反応中心が構築する始原型共役反応機構を解明し、植物がもつプロトン駆動力の生成と制御機構の進化的成立過程を明らかにすることが最終目的である。
1.ヘリオバクテリア反応中心の結晶化・構造解析:ヘリオバクテリア反応中心のコアタンパクについては、ようやく空間群R32結晶(結晶学的非対称)の高分解能解析(分解能2.28Å)が終了した。2つの構造が最終的に得られ(Form 1とForm 2)、さらにForm 2のキノン結合部位周辺には2つのconformers(立体構造異性体; molAとmolB)が観察された。一方、ヘリオバクテリア反応中心は電子供与体としてシトクロムc(PetJ)、末端電子受容体としてFA/FBタンパク(PshB)をサブユニットとしてもつ複合体であるが、反応中心の可溶化・精製段階で容易に外れてしまうことが分かっている。そこでPetJおよびPshBの大腸菌による大量発現系を構築し、X線結晶構造解析に取り組んだ。さらに複合体としての分子構築の情報を得るためにCryo電顕による解析も進めたところ、コアタンパクにPshBを結合させた複合体についてはデータ取得に成功した。コアタンパクにPetJサブユニットを結合させた複合体も、現在、解析中である。2.緑色イオウ細菌のRieske/cyt b型シトクロム複合体の可溶化・精製の検討:b-DDM以外の界面活性剤を試みた結果、コール酸・b-OGの混合界面活性剤による可溶化が最も効率よいことが判明した。3.電子伝達タンパク質の分子間相互作用のNMR解析: これまでのRieske/cyt bシトクロム複合体とcyt c-556との分子間相互作用の解析から、Rieske の[2Fe-2S]クラスター近傍の相互作用部位が同定された。この構造情報をもとにドッキングモデルを構築したところ、水溶性タンパク質の電子伝達で見られるような静電的な長距離相互作用は必要ではなく、近接タンパク質間に生じる非極性相互作用により電子伝達に適した配向が実現することが明らかとなった。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Current Research in Structural Biology
Volume: 5 Pages: 100101-100101
10.1016/j.crstbi.2023.100101
Biological and Pharmaceutical Bulletin
Volume: 45 Issue: 8 Pages: 1022-1026
10.1248/bpb.b22-00220
The Journal of Chemical Physics
Volume: 156 Issue: 10 Pages: 105102-105102
10.1063/5.0077290
Journal of Photochemistry and Photobiology A: Chemistry
Volume: 401 Pages: 112758-112758
10.1016/j.jphotochem.2020.112758
Reference Module in Life Sciences
Volume: 1 Pages: 1-19
10.1016/b978-0-12-819460-7.00031-1
J. Phys. Chem. Lett.
Volume: - Issue: 10 Pages: 3980-3986
10.1021/acs.jpclett.0c00891
https://www.bio.sci.osaka-u.ac.jp/~ohoka/
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