Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
様々な免疫関連疾患では、獲得免疫系による「セルフ」抗原の認識により発症の直接の引き金が引かれるが、そこに至るまでの過程で「ネオセルフ」抗原の作用が病態を左右する重要な働きを持つことが示唆されてきている。例えば、感染は様々な自己免疫疾患のイニシエーションとなることが疫学的に示唆されている。そこで本研究では、自己免疫疾患の発症や自然寛解過程における、CD4T細胞の「セルフ」抗原の攻撃に対する、微生物由来抗原を始めとした「ネオセルフ」抗原刺激のメカニズムや機能の追求を、新規Nr4a1レポーターマウスを用いて行う。
1. Nr4a1-dsGFPコンディショナルレポーターマウスの作製を完了した:本研究は、抗原受容体刺激を受けて活性化したT細胞をin vivoライブイメージングとex vivo FACS解析の両方で捉えることが可能な「Nr4a1新規レポーターマウス」を用い、自己免疫疾患の発症過程におけるネオセルフ抗原刺激の関与を検討するものである。しかし、このマウスではT細胞以外にも、Nr4a1を発現する細胞は全てレポーター分子を発現してしまうため、in vivoイメージングにおいてバックグラウンドが高く出てしまっていた。そこで、Cre-loxの系を用い、活性化T細胞特異的にレポーター分子を発現するマウスを新たに構築した。2. 実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)症状の寛解に先立ち胸腺に活性化CD4T細胞がホーミングすることを見出した:上記1で作製したNr4a1-dsGFPコンディショナルレポーターマウスを用い、EAEの発症・寛解過程で病態の推移と対応して活性化する免疫応答の場をin vivoイメージングで検討した。その結果、興味深いことに、寛解に向かう数日前あたりから腰部の免疫応答が減弱する一方、胸腺から活性化T細胞のシグナルが検出されることを見出した。3. EAE寛解前に検出される胸腺の活性化T細胞はIL-2を高産生するうえ、Tregの産生亢進と対応することを見出した:上記2.で見出された、EAE寛解前の胸腺で活性化T細胞が検出される意義を追求するため、末梢から胸腺に移行したT細胞と胸腺で産生されたばかりの細胞を区別する細胞表面マーカーを用い、EAEの各ステージで胸腺CD4T細胞のFACS解析を行ったところ、EAE寛解前に末梢から移行したCD4T細胞はTregの重要な誘導因子の一つであるIL-2を高産生するうえ、寛解前には胸腺でのTreg産生が亢進することを明らかとした。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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All Journal Article (6 results) (of which Int'l Joint Research: 2 results, Peer Reviewed: 6 results, Open Access: 6 results) Presentation (2 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results, Invited: 1 results) Book (3 results)
The Journal of Immunology
Volume: in press Issue: 9 Pages: 2122-2130
10.4049/jimmunol.2100808
Frontiers in Immunology
Volume: in press Pages: 866339-866339
10.3389/fimmu.2022.866339
iScience.
Volume: 24 Issue: 3 Pages: 102166-102166
10.1016/j.isci.2021.102166
Scientific Reports
Volume: 9 Issue: 1 Pages: 6984-6984
10.1038/s41598-019-43068-y
PLOS Biology
Volume: 17 Issue: 3 Pages: e2006716-e2006716
10.1371/journal.pbio.2006716
Nature
Volume: 567 Issue: 7749 Pages: 530-534
10.1038/s41586-019-0985-x