Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
ウイルス学的視点から哺乳動物の進化を検証し、その結果を従来の遺伝学的解析結果と比較評価することによって、新たにネオウイルス学的な進化論を展開し、「ネオウイルス学」の確立に貢献することを目的とする。ウイルス学的視点から、鯨偶蹄目動物の進化、その際のカバの重要性について解析を行い、ネオウイルス学に相応しい進化学研究を展開させていきたい。次に海棲哺乳動物とMoVの共進化について受容体利用能の観点から検討を行う。各種動物のSLAMとMoVのタンパク質との機能的相互作用を、実際に解析することによって、SLAM遺伝子変異の哺乳動物進化への関与を明らかにし、ネオウイルス学のさらなる発展に貢献する。
麻疹ウイルスは、ヒトに感染するモルビリウイルスである。紀元前6世紀頃に牛のモルビリウイルスから進化したと考えられている。モルビリウイルスには、他にイヌジステンパーウイルス、鯨類モルビリウイルス、アザラシモルビリウイルス、牛疫ウイルス、小反芻獣疫ウイルスなどが知られている。モルビリウイルスは、免疫細胞のSLAMと上皮細胞のネクチン4を受容体に用いて感染する。SLAMの動物種間のアミノ酸の相同性はやや低く、このことが、それぞれのモルビリウイルスが固有の宿主動物だけに感染する理由であると考えられてきた。本研究でわれわれは、多くのモルビリウイルスが、イヌSLAM、イルカSLAM、アザラシSLAMなど、異なる動物種のSLAMを効率よく利用できることを示した。一方、ヒトSLAMを効率良く利用できるのは、麻疹ウイルスだけであることを示した。さらに、麻疹ウイルスが、ヒトSLAMのN末の最末端とに特徴的な相互作用を形成することで、ヒトSLAM利用能を高めていることを示した。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2021 2020 2019
All Journal Article (7 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results, Peer Reviewed: 7 results, Open Access: 6 results) Presentation (2 results)
Molecules
Volume: 26 Issue: 5 Pages: 1262-1262
10.3390/molecules26051262
Front Microbiol
Volume: 11 Pages: 1830-1830
10.3389/fmicb.2020.01830
Current Opinion in Virology
Volume: 41 Pages: 38-45
10.1016/j.coviro.2020.03.005
Microbiology and Immunology
Volume: - Issue: 8 Pages: 578-583
10.1111/1348-0421.12788
臨床とウイルス
Volume: 48 Pages: 371-377
Viruses
Volume: 11 Issue: 8 Pages: 761-761
10.3390/v11080761
Volume: 11 Issue: 7 Pages: 606-606
10.3390/v11070606