思春期の社会的経験を通してコミュニケーション能力が成熟する神経機構
Publicly Offered Research
Project Area | Science of personalized value development through adolescence: integration of brain, real-world, and life-course approaches |
Project/Area Number |
19H04874
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Complex systems
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Research Institution | Waseda University (2020) Tohoku University (2019) |
Principal Investigator |
田中 雅史 早稲田大学, 文学学術院, 専任講師 (20835128)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2020)
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Budget Amount *help |
¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | キンカチョウ / 中脳水道周囲灰白質 / ドーパミン / 思春期 / コミュニケーション / 歌鳥 / 鳴禽 / ソングバード / 社会的隔離 / 中脳ドーパミン神経群 / 側坐核 / 線条体 |
Outline of Research at the Start |
ヒトなどの社会的動物では、思春期における社会的経験が、その後の価値判断やコミュニケーション能力に大きい影響を与えることが知られる。しかし、ヒトに適用できる実験には限界があり、思春期の社会的経験が脳にどのような影響を与えて、その後の精神疾患や社会性障害を引き起こすのか、その詳細は不明である。そこで、本研究では、ヒトと類似の言語的コミュニケーションを通して他者と緊密な社会的結合を形成するキンカチョウという鳥に、種々の神経科学的手法を適用し、思春期における社会的経験がその後のコミュニケーション能力を成熟させる神経機構を細胞レベルで探究する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、長く言語学習や音声コミュニケーションを調べる動物モデルとして用いられてきたキンカチョウというスズメ亜目の鳥(songbird, 歌鳥)を用いることで、思春期の社会的経験がその後のコミュニケーションや神経回路に与える影響を効率良く明らかにすることを目指した。本研究の結果、思春期の開始頃(20~60日齢)に親から隔離され、社会的に孤立して育てられたキンカチョウは、正常に育てられたキンカチョウと比較し、成長後の他の鳥との音声コミュニケーションが顕著に減少し、その歌の音程やリズムも不安定であることが分かった。我々が新規に開発した短時間フーリエ解析を利用した発声リズムの解析プログラムで分析したところ、社会的隔離を経験した鳥では、正常な鳥に比べ、歌のテンポが不安定であり、さらに、歌における個々の発声の順序を人工的に入れ替えてシャッフルするとテンポの安定性が崩れるという、通常の鳥の歌では認められる時間的性質が認められなかった。このテンポの発声順序依存性は、リズムをもった音声なら必ず見られる特性というわけではないようで、たとえばマウスが求愛時に発する超音波域の発声や、ヒトの言語的な音声も一定のテンポを持つが、その発声の順序を入れ替えてもテンポの安定性は変化しないこともわかってきた。しかし、興味深いことに、ヒトの音楽的な歌(独唱)は、キンカチョウの歌のように、順序を入れ替えることでテンポの安定性が崩れることがわかった。シミュレーションの結果から、キンカチョウの歌やヒトの歌に見られる発声順序依存性は、オシレーターのようなメカニズムでそのリズムが維持されているという可能性が示唆されている。現在、これらの成果をまとめ、国際専門誌への投稿準備を進めているところである。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)