Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
本研究ではアンドロイドを媒介した主体価値発展支援システムを開発し、その効果を検証する。多くの人が自己開示を促しやすいアンドロイドの作成が目的となる。アンドロイドという動作のパラメータが決まっている媒体をどのように調整することで自己開示が進むかについて検討することは、自己開示を促す理論についての体系を作るうえで大きな基盤になる。自己開示を促すことは主体価値発展支援に寄与すると考えられており、その過程こそが当該領域が求める目標である主体価値の形成過程の解明につながる。
2020年度も、児が二人一組になり、2019年度に開発したアンドロイドの操作者及び対面者となり、相互に自己開示をしフィードバックしあうという支援システムを用いて、主体価値の形成を目指した。主体価値の形成評価には家族、日頃より生徒を見ている先生、心理士など多様な視点で評価した。また主体価値形成にはコミュニケーション能力の育成も重要と考えた。ソーシャルディスタンスを保ちながらコミュニケーション教育を行うために、遠隔操作ロボットを用いたコミュニケーション教育システムを開発した。本システムでは、参加者一人一人にPCとロボットを用意した。参加者は二人一組となり、遠隔操作ロボットを介してコミュニケーショントレーニングを行った。本研究の目的は、本システムがASD者のコミュニケーショントレーニングに対するモチベーションを維持できるかどうか、また、コミュニケーション能力の向上に役立つかどうかを検証することであった。参加者は、教師からのコミュニケーションに関する授業だけを受けるグループ(TCT)と教師からのコミュニケーションに関する授業に加えて2人1組になり、遠隔操作ロボットを使ってコミュニケーショントレーニングを行うグループ(RMC)の2つのグループに無作為に割り付けられた。授業及び訓練は週1回のペースで計5回行われた。本研究には、20名のASD者が参加した。介入前後でRMCグループではTCTグループと比べ、「自分の考えを他人に説明するのが上手」、「他人の考えや感情を聞くのが上手」の項目において有意な改善を認めた。また、本システムを用いたトレーニングに対するモチベーションは、セッション中も維持されていた。以上のことから、本研究では、本システムがコミュニケーションスキル(相手の考えや気持ちを聞くことなど)の向上に有用であることが明らかになった。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2021 2020 2019
All Journal Article (6 results) (of which Peer Reviewed: 6 results, Open Access: 3 results) Presentation (3 results)
Current Opinion in Psychiatry
Volume: 34 Issue: 3 Pages: 277-286
10.1097/yco.0000000000000692
Asian Journal of Psychiatry
Volume: 57 Pages: 102588-102588
10.1016/j.ajp.2021.102588
Frontiers in Psychiatry
Volume: 11
10.3389/fpsyt.2020.598688
Psychiatry and Clinical Neurosciences
Volume: 74 Issue: 11 Pages: 581-586
10.1111/pcn.13132
Psychiatry and Clinical Neuroscience.
Volume: 74 Issue: 2 Pages: 157-158
10.1111/pcn.12958
Volume: 74 Issue: 2 Pages: 124-131
10.1111/pcn.12949