Individual differences in the relationship between memory and stress responses
Publicly Offered Research
Project Area | Integrative research toward elucidation of generative brain systems for individuality |
Project/Area Number |
19H04897
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Complex systems
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐々木 拓哉 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 特任准教授 (70741031)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2020)
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Budget Amount *help |
¥9,620,000 (Direct Cost: ¥7,400,000、Indirect Cost: ¥2,220,000)
Fiscal Year 2020: ¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2019: ¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
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Keywords | 中枢末梢連環 / ストレス / 局所場電位 / 心電図 / 大脳皮質 / 個体差 / 脳波 / モノアミン |
Outline of Research at the Start |
ラットへのストレス負荷として、より強いラットから一時的に攻撃を受けるような社会的敗北ストレスモデルを与える。同じストレス負荷を受けても、反応を強く生じる個体(感受性)とそうでない個体(抵抗性)に分かれる。脳領域では、記憶や認知にかかわる大脳新皮質と海馬の神経発火、神経修飾物質の変動、さらに心電図、筋電図、呼吸リズムを同時に記録する。この計測により、1つのラットにおいてストレス経験前後での、①不安様行動、うつ様行動成績、②ストレス環境に対応する神経活動とモノアミン動態、③ストレス経験(海馬細胞の活動)の再生、④末梢臓器の不調(徐脈や不整脈、呼吸リズム異常など)を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
精神的ストレスへの応答は大きな個体差がある。特筆すべきは、ストレス感受性の動物個体はストレス負荷そのものは短期間でも、うつ症状など精神変調は継続することが多い。申請者は、この原因として、精神的ストレス記憶に対応した脳活動が、繰り返し再活性化する(残存する)ことに起因するという仮説「負の記憶の過剰再生による精神破綻」説を考えた。脳の記憶固定には、同じ神経活動の繰り返し再生が必要であり、本来生存にとって大切である。しかし、ストレス経験に対して過剰に働くと、精神疾患の一因にもなると考えられる。この説において、最も重要な脳領域は「腹側海馬」である。一般に海馬というと、脳表から比較的浅い背側海馬からの知見がほとんどであるが、背側海馬はストレス応答や情動にはほとんど関与しない。一方で、脳表から深い位置に存在する腹側海馬は、扁桃体や視床下部などと連絡し、記憶に加えて、情動やストレス応答を担う。また、構造や機能がヒトとも相同性が高い。しかし腹側海馬は、記録の難しさから知見が少なかった。本研究にて、我々は、腹側海馬の脳波計測に特化した電極ドライブを自在に作製し、腹側海馬から安定して記録ができるようになった。この実験条件にて、ストレスを負荷したマウスにおいて、腹側海馬の神経活動を解析したところ、ストレス時に活性化した神経細胞は、ストレス負荷後も反復して同期活動を生じていることを見出した。また実際に、こうした腹側海馬のストレス誘発性神経活動を選択的に消失させると、うつ様症状が一部改善することを見出した。以上の結果から、精神的ストレス記憶(動物にとっての負の情動記憶)は、腹側海馬において過活動という形でバイアスが掛かって過剰に再生されており、これが精神疾患の一因になることが示唆された。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(2 results)
Research Products
(11 results)