Molecular mechanism of individual difference of prosocial behavior
Publicly Offered Research
Project Area | Integrative research toward elucidation of generative brain systems for individuality |
Project/Area Number |
19H04915
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Complex systems
|
Research Institution | Tamagawa University |
Principal Investigator |
高岸 治人 玉川大学, 脳科学研究所, 准教授 (90709370)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2020)
|
Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2020: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2019: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
|
Keywords | 向社会性 / 経済ゲーム / DNAメチル化 / オキシトシン受容体遺伝子 / 一般的信頼 / 向社会行動 / 遺伝子 / 社会的価値志向性 / 向社会的行動 / エピゲノム |
Outline of Research at the Start |
近年の研究の結果、向社会的行動には素早い直感的な行動と時間をかけた熟慮的な行動の2 つのタイプが存在し、社会的価値志向性の違いがどちらのタイプの向社会的行動を行うかを規定していることが明らかにされた。しかし、何故、向社会性にこのような"個性"が存在するのかについては、これまでほとんど議論されてはこなかった。本研究では向社会性の"個性"はその人物が置かれている社会的環境への適応の結果生じると考え、社会的環境の違いによって向社会性の"個性"が創出されるメカニズムを分子レベルで検討することを目的とした。
|
Outline of Annual Research Achievements |
一般成人を対象に、複数の経済ゲーム(囚人のジレンマゲーム、独裁者ゲーム、公共財ゲーム、信頼ゲーム)で測定された向社会行動、意思決定時の反応時間、および社会的価値指向性とオキシトシン受容体遺伝子(OXTR)におけるメチル化と向社会性の関連について検討を行なった。OXTRのメチル化は先行研究において社会不安との関連が報告されているエクソン3にある15個のCpGサイトを対象にした。メチル化の解析はバイサルファイト処理後に該当箇所をPCRにて増幅し、PCR産物をダイレクトシークエンスすることによりメチル化率を算出した。分析の結果、向社会行動に対して意思決定時の反応時間とOXTRのメチル化率の交互作用効果が見られた。単純主効果検定の結果、意思決定時の反応時間が遅い群ではOXTRのメチル化率と向社会行動の関連は見られなかったが、意思決定時の反応時間が早い群ではOXTRのメチル化率が高い人ほど向社会行動の程度が高いことが明らかになった。これらの結果は、OXTRのメチル化は時間をかけた熟慮的な向社会行動ではなく、素早い直感的な向社会行動を調節していることを示している。OXTRのメチル化率と社会的価値志向性との関連は見られなかった。また、社会環境が向社会性の個性を創発する過程を調べるために、日本国内の20の県庁所在地で暮らす約2000名の一般成人を対象にオンライン調査を行なった。分析の結果、一般的信頼が高い地域で暮らす人々ほど社会的価値指向性尺度でproselfに分類され、一般的信頼が低い地域で暮らす人々ほど社会的価値指向性尺度でprosocialに分類されることが明らかになった。一般的信頼は、社会における不確実性を反映すると考えられるため、本研究の結果は社会的不確実性が高い社会環境で暮らす人々は向社会性のデフォルト値が低くなり、逆に社会的不確実性が低い社会環境で暮らす人々は向社会性のデフォルト値が高くなるという本研究の仮説を支持するものであった。
|
Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Report
(2 results)
Research Products
(19 results)