Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
機能的MRIなどの脳イメージング技術の発展により、ヒトの脳の個人差と、行動や性格の傾向との関係が明らかになりつつある。しかし、脳を傷つけない計測法では限られた情報しか得られないため、異なる長所を有する脳イメージングデータを統合解析する必要がある。本研究課題では、脳波と機能的MRIから、個人特性に関係する特徴量を抽出する機械学習法を高度化し、ヒト脳「個性」指標を新たに創出する。
応募者のグループが開発した脳情報解析のための機械学習法を高度化し、脳波MicrostateとfMRI脳機能結合の解析技術を発展させ、脳イメージングデータに基づくヒト脳「個性」指標を新たに創出することを目指し、本年度は、以下の3つの課題に取り組んだ。第一に、空間パターンの抽出と状態遷移ダイナミクスの同定を全く別の規準に基づいて2段階で行う、脳波Microstateの計算法上の問題点を改善するため、両者を隠れマルコフモデルによって同時に推定できる方法を構築した。特に、符号が逆の空間パターンを同一視する、Microstateの特徴を保つため、変則ガウス分布を統計モデルに導入した。この方法を実際の脳波データに適用し、Microstateと類似した空間パターンと状態遷移ダイナミクスが得られることを確認した。第二に、昨年度より取り組んでいる、共活性成分分析(Hirayma et al., 2015)に基づく新しい脳波ダイナミクス解析フレームワークの改良と評価を行った。この手法を、PREDiCTという公開脳波データに適用したところ、Microstateと類似する2~3個の空間パターンを含む、妥当な共通基底が得られた。一方、共活性クラスタは多くの共通基底の重ね合わせで表現されており、神経科学的解釈が難しいため、スパース性の仮定を追加する必要があることがわかった。最後に、Modular Hierarchical Analysisに基づいた、fMRI脳機能結合からの年齢推定法について、複数のデータベースに対する適用結果の改善や解釈の検討を進め、昨年度日本に滞在したRicardo Monti氏(UCL)、Hyvarinen教授を含む海外共同研究者と論文を出版した。さらに、この手法を用いた、年齢以外の個性指標の推定の可能性について検討した。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2020 2019 Other
All Int'l Joint Research (5 results) Journal Article (1 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results, Peer Reviewed: 1 results, Open Access: 1 results) Presentation (1 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results, Invited: 1 results)
PLOS ONE
Volume: 15 Issue: 6 Pages: e0232296-e0232296
10.1371/journal.pone.0232296