Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
モンゴルの草原地帯に生息し、世界的にも有数の長距離移動を行う有蹄類モウコガゼルは、特定の季節行動圏や移動ルートを持たない遊動的な種とされているが、短期間での長距離直線的移動も観察されており、ナビゲーション研究の対象としての大きな可能性を秘めている。陸棲大型哺乳類のナビゲーション能力の解明をめざし、モウコガゼルの移動データと環境情報を取得・整備して、移動モデル構築のための好適度地図の作成や、活動量データの有効性評価、環境情報に基づく移動モデルの構築と検証をおこなう。環境条件が異なる地域間の比較も実施する。
モンゴルの草原地帯に生息し、世界でも有数の長距離移動を行う野生有蹄類モウコガゼルは、特定の季節行動圏や移動ルートを持たない遊動的な種だが、短期間での長距離直線的移動も観察されており、ナビゲーション研究の対象としての大きな可能性を秘めている。モウコガゼルの移動・活動データと環境情報に基づく、陸棲大型哺乳類のナビゲーション能力の解明をめざし、分布域内の生息環境の異なる地域での移動パターンの地域間比較を計画した。しかし、2019年度に追跡を開始した、分布域南部でのモウコガゼルとの地域比較を目指した、分布域北部での追跡のための捕獲は、新型コロナウイルス感染症の拡大により、2020年度だけでなく、予算繰越をした2021年度にも叶わなかった。2019年度に追跡を開始した個体の一部には、3軸加速度計とカメラを搭載した首輪を導入し、1年後の首輪の自動脱落とデータ回収に成功した。明るい時間帯に1時間おきに15秒間記録する設定としたことにより、1年間の動画記録ができた。これはこの体サイズの陸上動物ではほぼ初めての成果である。動画からは装着個体の行動を休息、反芻、採食、移動に分類でき、採食と休息の時間割合が大きいことや、夏季には休息の、冬季には採食の時間割合が大きいという明瞭な季節変化の存在が明らかになった。家畜ヤギに装着した3軸加速度計とカメラにより取得したデータでは、動的加速度の合計値と首の傾斜角の2変数を用いた2階層からなる分類法で、上記4行動を90%以上の正解率で分類できた。これにより同様の手法を用いた、モウコガゼルでの連続的な行動推定が現実的になった。過去のモウコガゼル追跡データを利用した、世界の反芻獣とウマ科動物30個体群の生息地選択に関する比較研究も実現し、生息地選択には体サイズと消化システムの影響が大きいことを明らかにした。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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All Int'l Joint Research (10 results) Journal Article (4 results) (of which Int'l Joint Research: 4 results, Peer Reviewed: 4 results, Open Access: 1 results) Presentation (8 results) (of which Int'l Joint Research: 2 results, Invited: 1 results) Book (2 results)
Ecology Letters
Volume: 24 Issue: 10 Pages: 2178-2191
10.1111/ele.13848
Agriculture, Ecosystems & Environment
Volume: 287 Pages: 106685-106685
10.1016/j.agee.2019.106685
Journal of Mammalogy
Volume: - Issue: 2 Pages: 487-497
10.1093/jmammal/gyz209
Ecosphere
Volume: 10 Issue: 11
10.1002/ecs2.2924