Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
本研究では以下の3点に焦点を絞り、メンブレントラフィックによるEGFRシグナルの時空間制御機構を明らかにしたい。(1)メンブレントラフィックを介したEGFRシグナル制御の数理モデル構築(2)ERK活性振動性に対するエンドソームの役割の解明(3)小胞体(ER)-エンドソームコンタクトサイトにおけるEGFRシグナル制御機構の解明
上皮成長因子受容体(EGFR)シグナルは細胞の増殖・分化・遊走に重要である。一方で過剰なEGFRシグナルは、細胞のガン化を誘導することが知られている。以前の研究から、細胞表面で活性化したEGFRは、細胞膜からだけでなく、エンドサイトーシスされた後も、エンドソーム膜上からシグナルを発信し続けることが明らかとなっていた。また低濃度のEGF存在下では、活性化したEGFRがリサイクルされ、細胞内にシグナルが発信され続けるのに対し、高濃度のEGF存在下では、EGFRがリソソームで分解され、シグナルがダウンレギュレーションされることが報告されている。このようにEGFRの細胞内トラフィックは、EGFRシグナルの時空間的制御に重要な役割を果たしている。我々は、ROCOファミリーキナーゼLRRK1が、EGFRの細胞内トラフィックをキナーゼ活性依存的に制御していることを明らかにしてきた。本研究課題では、LRRK1によるEGFR細胞内トラフィック制御とエンドソームからのシグナル発信を数理モデル化することを試みた。まずLRRK1によるEGFR細胞内トラフィック制御機構を明らかにするため、HeLa細胞を用いた実験を行った。その結果、LRRK1が低分子量GタンパクRab7をリン酸化し、EGFRを含むエンドソームのダイニン依存的輸送を制御することを明らかにした。これらの過程は、EGFRのリソソーム分解に重要である。さらに、LRRK1が活性化したEGFRを、チロシンフォスファターゼPTP1Bと共にエンドソーム内腔へと取り込む機構を明らかにした。一方、数理モデルの構築に関しては、内在性LRRK1の発現量やエンドソームへの局在量など、一部のパラメーター取得に困難が生じ、十分な数理モデルの構築までには至っておらず、引き続きパラメーター取得を行う必要がある。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2021 2019
All Journal Article (6 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results, Peer Reviewed: 6 results, Open Access: 6 results) Presentation (2 results)
The Journal of Neuroscience
Volume: 41 Issue: 13 Pages: 2842-2853
10.1523/jneurosci.1806-20.2021
Volume: 41 Issue: 22 Pages: 4754-4767
10.1523/jneurosci.2456-20.2021
Volume: 41 Issue: 40 Pages: 8309-8320
10.1523/jneurosci.0711-21.2021
Volume: 41 Issue: 11 Pages: 2373-2381
10.1523/jneurosci.1024-20.2021
Journal of Cell Science
Volume: 132 Issue: 11
10.1242/jcs.228809
EMBO reports
Volume: 20 Issue: 10
10.15252/embr.201847517