Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
本研究では、神経結合ネットワークが解明されている線虫C.エレガンスを用い、立体観測用の顕微鏡で頭部の全神経細胞の活動を時間を追って測定する。測定した結果を計算機上のニューラルネットワークモデルで学習させることにより、神経活動を予測するモデルを作製する。ニューラルネットワークの構造と予測性能の関係をさまざまな側面から検討する。さらに、実際の神経結合ネットワークを模したニューラルネットワークを作製することにより、実際の生物が持つ神経回路の構造がいかに最適化されているかを理解する。
本研究は動物の脳の実際の神経回路がどのようにネットワークとして動作しているのかを人工ニューラルネットワークと対比しそれを使いながら再現することを目的とした。そのために、302個の神経細胞からなる全ネットワークが解明されている線虫C.エレガンスを用い、タンパク質コード型カルシウムレポーター(GECI)と4Dイメージングシステムを用いて撮影した頭部の全神経の神経活動を定量化したデータを用いた。個体により異なるが、平均150個程度の神経の活動時系列が得られている。このデータをいくつかの方法で解析した。まず、独立成分分析により10個の独立成分の線形結合として神経活動を表現し、各神経の成分混合比から情報の流れを推定した。これにより、個体毎に異なる情報源から神経ネットワーク上を情報が流れている様子が伺えた。また、多変量の時系列を力学系とみなし、2つの神経が同じ力学系に属するか(相互作用しているか)をリカレント解析により検討した。これにより、神経間の相互作用が可視化されるとともに、時間経過により相互作用関係が変化する様子が観察できた。次に、全結合のニューラルネットワークモデルにより全神経の過去の神経活動値から各神経の未来の活動値を推定する学習を行わせた。その結果、神経により異なるがよい推定を与える神経活動モデルを得ることができた。ニューラルネットワークモデルが神経活動をよく記述することが伺えた。最後に、同じ課題設定について、カーネル法を用いた非線形次元削減を行い、さらには確率モデルを仮定することにより、神経系の確率的挙動を含めたモデルを作成した。この確率的生成モデルが自発的かつ同期した神経活動を再現することがわかった。実際の神経活動を模したシミュレーションを行うことができたことで、基本的な神経系の動作原理が推定された。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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http://molecular-ethology.bs.s.u-tokyo.ac.jp/labHP/J/JTop.html