Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
これまでの動物モデルを用いた研究により前頭前野のノルアドレナリン過不足がある状態では恐怖の抑制が適切に行われないことを示されている。そこで本研究ではこのようなモデルを人工的に作成し、恐怖抑制タスクを行う過程での前頭前野の神経活動を観察する。これによりノルアドレナリンの過不足状態においてどのような異常が神経活動レベルで起こっているのかを明らかにする。
2020年度は報酬記憶と恐怖記憶の消去時における前頭前野での神経活動測定について検討した。前頭前野の報酬記憶と恐怖記憶の消去中における活動を明らかにするため、小型顕微鏡を用いて消去時における前頭前野の活動を1細胞レベルで観察した。イメージングという手法の利点を用いて、報酬と恐怖の消去セッション中に同じ神経細胞について観察した。どちらのセッションも音を手掛かり刺激として与えた後、報酬条件づけの場合はスクロース溶液を恐怖条件づけの場合は電気ショックを与えることでラットは音に対する学習を成立させている。条件づけ後につづく消去においては音のみを提示して報酬や恐怖刺激が来ない中でフリームービング中にイメージングを行った。得られたデータは1細胞活動を抽出する手法によって解析を行った。教師なし機械学習を用いることで各セッション中の神経活動を分類したところ、トライアルが進むにつれて音に対する応答がなくなっていく神経群と、音に対する応答がでてくる神経群に分類することができた。このことから、消去においては前頭前野の特異的な神経細胞群の活動が関与していることが示唆された。これらの音に対する神経応答ダイナミクスが消去特異的なものかを解明するために、報酬学習(音刺激と報酬を与え続けるタスク)についてもイメージングを行った。上記と同様に機械学習によって神経応答を分類したところ、消去のように音に対する応答が増減は少なく一定になることが明らかとなった。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2021 2020 2019
All Presentation (5 results) (of which Int'l Joint Research: 3 results, Invited: 2 results)