Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
高感度高分解能な電波干渉計による観測的研究の進展により、かなり複雑な有機分子の検出が容易になるとともに膨大な数のラインが観測されるようになった。これらのラインの由来となる分子、その温度や量を求めるためには実験室における分光測定データが標準として必要であるが現状は全く十分でない。今後の観測が期待されるアミノ酸のようなより複雑な生体分子のスペクトル線と見分けるためにも、実験室分光データを充実させることは喫緊の課題となっている。本研究で着目しているギ酸メチルは既に星間空間に1000本以上もスペクトル線が同定されているが、未解明の遷移が多数あり、今後、高い振動励起状態にある回転遷移の観測が期待できる。
電波干渉計の高感度化、高分解能化によって、膨大な数のラインが観測されるようになった。比較的簡単な有機分子の場合でも、解析に必要な実験室分光データが存在しないことが珍しくないため、その充実は喫緊の課題となっている。本研究で特に注目するギ酸メチルは既に星間空間に振動励起状態にある回転遷移も含めて1000本以上もスペクトル線が同定されており、その解析によって星間空間での温度の同定等に役立つことも示されている。一方、実験室マイクロ波分光のスペクトルが非常に複雑であるため、量子準位の帰属がついているのは20%以下である。さらなるギ酸メチルの実験・解析の結果は、新たなプローブを与え、星間スペクトルのクリーンアップが可能とする。本研究では低周波数領域で高い相対強度の信頼性と周波数決定精度を有するチャープパルス・フーリエ変換型マイクロ波(CP-FTMW)分光計による測定結果の相対強度を利用してアプローチしている。国内では本学のみに存在するCP-FTMW分光計は、これまで8-18 GHzまでの領域での回転スペクトル線の測定が可能であったが、新しいパワーアンプ、スイッチ等をの導入で26-40 GHz帯に拡張することができた。さらに従来型のマイクロ波分光計の測定は325 GHzまで測定を終えた。これらのマイクロ波分光とシンクロトロン放射光を用いた高分解能赤外分光のデータの相互相関を利用してK=1, 2の順位へと解析を拡張することに成功した。この成果をまとめ、国際学会International Symposium on Molecular Spectroscopyに置いて報告した。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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All Int'l Joint Research (2 results) Journal Article (1 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results, Peer Reviewed: 1 results) Presentation (3 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results) Remarks (1 results)
Canadian Journal of Physics
Volume: - Issue: 6 Pages: 551-554
10.1139/cjp-2019-0578
http://moodle.sci.u-toyama.ac.jp/atlas/