Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
大質量星形成領域は低質量星に比べて遠く、空間分解能が不足した状態で観測が行われて来た為、見かけの速度勾配が最大となる横向きの円盤を持つ天体に強いバイアスが掛かっている。こうした天体では円盤の二次元的構造を直接的に理解することは困難である。本研究では先行研究によって発見された円盤を真上から見込む現状唯一の大質量原始星G353に対してALMAを用いた高分解能多周波観測を行い、円盤の物理構造の徹底解明を目指す。また我が国が得意とする原始星理論/円盤の輻射輸送計算などを組み合わせたスペクトルモデルを作成し、赤外線アーカイブデータをベースに円盤多様性の検証へ向けた観測計画の立案を行う。
(1) ALMA cycle 6における230 GHz観測からG353.273+0.641のFace-on円盤内の2本腕を完全に空間分解した。また動径方向の平均輝度温度プロファイルをダスト温度と光学的厚みの冪乗関数でフィッティングし、柱密度から求めた渦状腕部分の円盤質量は3太陽質量となり、これは中心星の30%に相当する。誤差は13パーセントであり、これはMotogi et al. (2019)において150 GHzの低分解能観測で決定した値(2-7太陽質量)と誤差の範囲で一致しており、かつ大幅に精度が向上した。今回得られた中心星に対する円盤質量比は、理論的に予想される渦状腕を伴う重力不安定円盤として妥当である。また実際に不安定度の目安となるToomreのQ値は渦状腕内で0.5-1.0, それ以外で1.5-2.5となった。渦状腕内部では分裂の閾値とされる0.6(Takahashi et al. 2016)と同程度であったことから、Motogi et al. (2019)の予想通り円盤が分裂中であることが示唆される。(2)またCO 2-1輝線により非対称な分子ガスジェットが空間分解された。COジェットの根元はMotogi et al. (2016)における水メーザージェットの先端に接続しており、速度も一致することから中心100 auスケールで加速された分子ガスジェットがそのまま3500 auまで伸びていることがわかった。13CO同位体の輝線から決定した光学的厚みから求めた質量放出率(1年で1太陽質量の1%程度)はMotogi et al.(2019)で求めたエンベロープ降着率の20 %程度であり、大降着率で原始星が成長していることが確かめられた。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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The Astrophysical Journal
Volume: 877 Issue: 2 Pages: 1-8
10.3847/2041-8213/ab212f
http://www.yamaguchi-u.ac.jp/weeklynews/_7735/_7917.html