Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
本研究の目的は、現実的な円盤進化及び最新の惑星形成モデルを考慮した惑星集積N体計算を実行することにより、低質量星周りの惑星形成の描像を明らかにすることである。現実的な円盤進化を考慮とは、具体的には磁気駆動円盤風や光蒸発の効果を導入した円盤進化モデルを用いることを指す。これらの効果は従来の円盤進化理論モデルでは考慮されていなかったが、円盤進化に非常に大きな影響を与え得ることが指摘されている。また最新の惑星形成モデルの一例として、最近提唱された新しい惑星集積モード(ペブル集積)も考慮する計画である。
本研究課題では、現実的な原始惑星系円盤進化及び最新の惑星形成モデルを考慮した惑星集積N体計算を実行することにより、低質量星周りの惑星形成の描像を明らかにすることを目的としている。本研究で最も重視する点は、従来の円盤進化モデルでは無視されていた磁気駆動円盤風や光蒸発の効果を導入した現実的な円盤進化モデルを使用する点にある。本研究ではまず低質量星周りにおいて現実的な円盤進化モデルを作成することに取り組んだ。従来の円盤進化モデルでは、円盤の密度や温度は簡単なべき乗分布として仮定されていた。本研究では、低質量星周りでの磁気駆動円盤風を考慮した円盤進化を1次元拡散方程式を数値的に解くことによって求めた。計算の結果、円盤ガス面密度分布は従来考えられていた簡単なべき乗分布とは大きく異なることがわかった。次に現実的な円盤進化モデルを用いた上で、TRAPPIST-1惑星系の形成をN体計算によって調べた。低質量星であるTRAPPIST-1はハビタブルゾーンに複数の惑星が発見されていることから、様々な観点から研究されてきている。この惑星系は特徴的な惑星質量分布を有してるが、この起源についてはこれまで説明されていなかった。本研究のN体計算の結果、惑星は形成初期段階は素早い軌道移動を経験し、形成後期段階には軌道移動が遅くなる可能性があることがわかった。また、このような軌道移動によって、TRAPPIST-1系の質量分布を再現することが可能であることを明らかにした。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2022 2021 2020 2019
All Journal Article (6 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results, Peer Reviewed: 6 results, Open Access: 5 results) Presentation (5 results) (of which Int'l Joint Research: 2 results, Invited: 1 results)
Astronomy & Astrophysics
Volume: 658 Pages: A184-A184
10.1051/0004-6361/202142354
Volume: 648 Pages: L1-L1
10.1051/0004-6361/202140464
The Astrophysical Journal
Volume: 921 Issue: 1 Pages: L5-L5
10.3847/2041-8213/ac2f3b
Volume: 889 Issue: 2 Pages: 77-77
10.3847/1538-4357/ab6168
Volume: 892 Issue: 2 Pages: 124-124
10.3847/1538-4357/ab7fa7
Volume: 893 Issue: 1 Pages: 43-43
10.3847/1538-4357/ab7cd7