Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
(1)量子化学・物理、(2)素粒子、(3)宇宙の3テーマの研究を行う。(1)各アミノ酸分子、その励起状態・イオン化状態等の電子カイラリティ非対称度を量子化学計算で調べ、効果の大きな分子と状態を調べる。(2)宇宙線と分子との各非弾性衝突過程の研究。宇宙線エネルギーによってアミノ酸分子にどのような反応がどのくらいの断面積で起こるか調べる。(3)宇宙の発展における、宇宙線フラックスとスペクトルの時間推移、宇宙でのアミノ酸分子の生成過程を調べる。3テーマで調べた電子カイラリティ非対称度・宇宙線と分子内電子の断面積・宇宙線フラックスを用いて、各アミノ酸分子の鏡像異性体過剰率の発展方程式を定式化する。
前年度までの研究において、励起により分子の持つ電子カイラリティ非対称度は著しく増幅するとの予言を行っていた。この予言に基づき、鏡像異性体分子の励起状態におけるエネルギー差について研究を行った。最もシンプルな鏡像異性体分子であるH2X2 (X=O,S,Se,Te) について、EOM-CC-FFPT (Equation Of Motion-Coupled Cluster-Finite Field Perturbation theory)という高コストだが高精度の計算を行い、励起状態における鏡像異性体分子間のエネルギー差について調べた。基底状態、第一励起状態、第二励起状態を調べ、全てのH2X2分子についてどちらからの励起状態では基底状態と比べて1から2桁大きなエネルギー差が得られることを示した。この成果を基に今後は鏡像異性体間のエネルギー差だけではなく、電子カイラリティの非対称度への計算へと発展させる。前年度の研究でアミノ酸分子、アラニン、セリン、バリンが持つ電子カイラリティ非対称性はホモカイラリティを生み出す機構と合致するように偏っていることをハートリー・フォック計算を行って示していた。ただ電子カイラリティ非対称度の計算はかなりの精度が必要であり、我々が行ったハートリー・フォック計算では精度がぎりぎりであったため、新たに密度汎関数法を用いてより高精度計算で確認を行った。十分に高精度で収束した値を得られるまではいかなかったが、高精度計算に必要な計算条件を明らかにした。そして十分に高精度ではない中間結果として前年度の結果を支持する結果が得られている。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2021 2020 2019
All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results) Presentation (11 results) (of which Int'l Joint Research: 4 results, Invited: 2 results)
Journal of Computational Methods in Sciences and Engineering
Volume: 21 Issue: 1 Pages: 99-107
10.3233/jcm-204361
Physics Letters A
Volume: 384 Issue: 32 Pages: 126796-126796
10.1016/j.physleta.2020.126796
120006890701