Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
核子Nのカイラルパートナーの候補とされる核子共鳴N(1535)S11の構造を調べるためには、S11と強くするηNチャンネルの低エネルギー散乱の情報が欠かせない。本研究では、ηメソンと中性子nの散乱の寄与を露わに含む最適な運動学で、重陽子d標的でのηメソン光生成反応の微分断面積を測定し、ηN散乱の散乱長を精密に決定する。これにより自由空間でのS11の構造の解明を目指す。
核子共鳴N*(1535)S11は核子Nのカイラルパートナーの候補とされるが、その構造についてはよくわかっていない。N*(1535) はηメソンとNに崩壊しやすいため、N*(1535)の性質を明らかにするには低エネルギーηN散乱の情報が欠かせない。本研究では、ηと中性子 (n) の散乱の寄与を露わに含む最適な運動学で、重陽子(d) 標的でのηメソン光生成反応の微分断面積を測定し、ηn 散乱の散乱長すなわちηN散乱の散乱長を精密に決定する。これにより自由空間でのN*(1535)の構造、カイラル凝縮に伴う質量増加なのか、ηとNのハドロンクラスターの分子状態なのか、の解明を目指す。東北大学電子光理学研究センター ELPH の光子ビームラインで 電磁カロリメータ FOREST と前方スペクトロメータ BLC を使って、陽子 (p)を0°で検出した 940 MeV 程度の光子ビームでのγd→ηpn反応に対するηn不変質量に対する微分断面積を測定する。実験遂行により統計量を増やすとともに、データ解析を継続的に行った。水素標的におけるγp→ηpあるいはγp→π0p反応のイベントで BLC スペクトロメータの運動量の較正を行い、重水素標的データでのプリリミナリーなηn不変質量分布を得た。その他にも中性メソンと核子の間の相互作用として、低エネルギーωp散乱パラメータ (散乱長と有効距離) を決定し、学術論文にまとめあげた。またγd→π0ηd反応イベントの解析でηd 系でのアイソスカラーなダイバリオンのピークを見出し、観測されたダイバリオンの質量と幅を決定するとともに、中間状態のスピンパリティを与えた。またその質量分布からηd散乱パラメータの導出を行った。これらについては、2 つの学術論文 (letter と full paper) を執筆中であり、近日中に投稿予定である。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2021 2020 2019 Other
All Journal Article (17 results) (of which Int'l Joint Research: 8 results, Peer Reviewed: 16 results, Open Access: 9 results) Presentation (23 results) (of which Int'l Joint Research: 12 results, Invited: 9 results) Remarks (2 results)
Progress of Theoretical and Experimental Physics
Volume: 2020 Issue: 9
10.1093/ptep/ptaa109
Physical Review C
Volume: 102 Issue: 2 Pages: 025201-025201
10.1103/physrevc.102.025201
Physical Review Letters
Volume: 124 Issue: 20 Pages: 202501-202501
10.1103/physrevlett.124.202501
Volume: 101 Issue: 5 Pages: 052201-052201
10.1103/physrevc.101.052201
EPJ Web of Conferences
Volume: 241 Pages: 01007-01007
10.1051/epjconf/202024101007
AIP Conference Proceedings
Volume: 2249 Pages: 030027-030027
10.1063/5.0008651
Volume: 2319 Pages: 080017-080017
10.1063/5.0036979
arXiv preprint
Volume: nucl-th
Acta Physica Polonica B
Volume: 51 Issue: 1 Pages: 27-32
10.5506/aphyspolb.51.27
Volume: 51 Issue: 1 Pages: 329-332
10.5506/aphyspolb.51.329
Springer Proceedings in Physics
Volume: 238 Pages: 705-708
10.1007/978-3-030-32357-8_113
Volume: 238 Pages: 609-613
10.1007/978-3-030-32357-8_96
日本物理学会誌 BUTSURI
Volume: 75
JPS Conference Proceedings
Volume: 26
10.7566/jpscp.26.024004
10.7566/jpscp.26.022014
JPS Conf. Proc.
Volume: - Pages: 022029-022029
10.7566/jpscp.26.022029
Volume: 26 Pages: 0230011-4
10.7566/jpscp.26.023001
http://www.lns.tohoku.ac.jp/hadron/mbr/ishikawa/j2020a.html
http://www.lns.tohoku.ac.jp/hadron/mbr/ishikawa/j2019a.html