Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
X(3872)なる、異常に崩壊幅が狭いエキゾチックハドロンは、Dメソン・反D*メソンからなるメソン・メソン分子がスピン=1、パリティ=+1、Cパリティ=+1の状態にあるものと、同じ量子数を持つチャーモニウムの混合状態と解釈できる。これに関連してC-oddパートナーと呼ばれるCパリティ=-1の状態が存在することが予想され、これがηcメソンと光子、またはηc(2S)メソンと光子に輻射崩壊する過程をBメソンの多体崩壊中に探索する。
エキゾチックハドロンの一つであるX(3872)粒子のパートナーやhc(2P)など荷電共役固有値C=-1を持つ未発見の新粒子をηcメソンと光子γへの輻射崩壊モードで探索するデータ解析手法を探求した。目的とする状態はスピン(J)、パリティ(P)とCの三つの量子数がJPC=1+-である。Belle実験およびBelle II実験のBメソン崩壊を記録した高統計データを活用するにあたり、Bメソンの二体崩壊では抑制される量子数であるため、ηc γへ輻射崩壊する状態に、Kメソンとπメソンを伴うB0→ηc γ K+ π-なるBメソンの三体崩壊に着目した。ηcメソンはKS K+π-および陽子・反陽子の二つの崩壊モードで再構成した。ηc γへ輻射崩壊する既知の粒子としてhc(1P)に注目し、B0→hc(1P) K+ π-, hc(1P)→ηc γ過程のシミュレーションデータによりBメソン崩壊の検出効率はηc→KS K+π-モードの場合12.5%、ηc→陽子・反陽子モードの場合26.0%と見積もった。コンティニウムと呼ばれる軽いu,d,s,cクォーク・反クォーク対生成に起因するバックグラウンドが多いことがわかったため、終状態の粒子が等方的に分布するBメソン事象と、ハドロンジェットが形成されることが多いコンティニウムで分布に差が生じることが期待できる30個の変数を入力とするFastBDTと呼ばれるアルゴリズムで、信号らしさを指標化し、その値に適切な要求をすることによりバックグラウンドを一桁低減できることを確かめた。この結果、B0→ηc γ K+ π-崩壊分岐比が1/10000の場合、50/abの高統計データではηc γ質量スペクトラムに有意な信号を確認できることがわかった。並行してBelle実験グループ内で、タグした二光子衝突によるX(3872)粒子生成、Λcバリオンの崩壊分岐比の研究を進めた。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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All Int'l Joint Research (1 results) Journal Article (2 results) (of which Int'l Joint Research: 2 results, Peer Reviewed: 2 results, Open Access: 2 results) Presentation (5 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results, Invited: 1 results)
Physical Review Letters
Volume: 126 Issue: 12 Pages: 1-8
10.1103/physrevlett.126.122001
Physical Review D
Volume: 103 Issue: 5 Pages: 052005-052016
10.1103/physrevd.103.052005