Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
双極性障害は代表的な精神疾患であるにもかかわらず、統合失調症と比較すると病因・病態解明は遅れている。双極性障害を含む気分障害の血液バイオマーカーとして、脳由来神経栄養因子(BDNF: Brain-derived neurotrophic factor)の異常が知られており、多くのメタ解析から証明されている。また血液中BDNF濃度は、血小板由来である事が報告されている。血小板は巨核球より生成されるので、健常者および双極性障害患者のiPS細胞から分化した巨核球細胞を調べることにより、双極性障害の病因を明らかにする。
双極性障害は代表的な精神疾患であるが、双極性障害の病因は未だ不明な点が多い。近年、精神疾患患者のiPS細胞から分化した細胞を用いた研究が盛んになっているが、精神疾患のiPS細胞を用いた研究は、iPS細胞から分化した神経細胞やグリア細胞を用いた研究が主である。一方、双極性障害を含む気分障害の血液バイオマーカーとして、脳由来神経栄養因子(BDNF: Brain-derived neurotrophic factor)の異常が知られており、多くのメタ解析から証明されている。血液中のBDNF濃度は、脳内濃度より高く、血液中BDNF濃度の多くは、血小板由来であると考えられている。興味深い事にBDNF遺伝子は、血小板に分化する巨核球に存在することから、本研究では巨核球を用いて双極性障害の病因を調べた。健常者と双極性障害患者のiPS細胞は、共同研究者のスウェーデンの鮒恵子先生から提供されたサンプルを使用した。ますヒト由来iPS細胞から巨核球に分化し、BDNFの遺伝子発現の測定、網羅的なRNA-seq解析を実施し、双極性障害の病因における血液由来のBDNFの役割および網羅的解析を実施した。その結果、巨核球においてエストロゲン合成系、カルシウムシグナル系、神経炎症に関わるシグナル系が同定された。またiPS細胞における健常者と双極性障害患者のBDNF遺伝子発現を測定した結果、患者群でBDNF mRNAの発現が、健常者と比較して有意に低いことが判った。一方、神経に分化した神経細胞では、患者群の方が健常者と比較して高い値を示した。アンチセンスBDNF-ASの遺伝子発現は両群で差が無かった。さらに、死後脳を用いた研究でも、BDNF遺伝子発現は両群で有意な差があったが、アンチセンスBDNF-ASの遺伝子発現は両群で差が無かった。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2021 2020 2019 Other
All Int'l Joint Research (1 results) Journal Article (3 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results, Peer Reviewed: 3 results, Open Access: 2 results) Remarks (1 results)
Eur Arch Psychiatry Clin Neurosci
Volume: 271 Issue: 2 Pages: 249-258
10.1007/s00406-020-01231-x
Brain Behav Immun
Volume: 87 Pages: 59-73
10.1016/j.bbi.2020.04.046
Brain, Behavior, and Immunity
Volume: 81 Pages: 4-5
10.1016/j.bbi.2019.07.010
https://www.m.chiba-u.ac.jp/class/shakai/jp/index.html