Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
衝動性行動の抑制は、前頭前皮質にその神経基盤を持つと考えられている脳機能で、その異常は、統合失調症や双極性障害(特にその躁病相)に広く認められる。しかし、前頭前皮質がどの下流脳領域をどのような神経活動により制御することで、この機能を果たしているか明らかになっていない。本研究では、衝動性行動抑制という行動レベルの事象を、前頭前皮質細胞とそれらと神経連絡を持つ下流脳領域細胞の連携という、神経細胞レベルから神経回路レベルのマルチスケールにわたる脳活動により説明することを目指す。当該研究領域内の連携により、分子から神経回路、そして行動までを有機的につなげて精神病態を理解することが期待できる。
衝動性行動の抑制は、前頭前皮質にその神経基盤を持つと考えられている脳の高次機能であり、その異常は様々な精神疾患で認められる。しかし、前頭前皮質のどの部位が、下流のどの領域を制御することで、またどのような情報処理によりこの機能を果たしているか明らかになっていない。本研究では、マウス行動実験、光操作実験と電気生理学実験を組み合わせ、衝動性行動の抑制という行動レベルの事象を、前頭前皮質神経細胞群による下流領域の制御という、神経細胞レベルから神経回路レベルのマルチスケールにわたる脳活動により説明することを目指す。令和元年度に、衝動抑制の神経メカニズムを光遺伝学、薬理遺伝学、電気生理学的手法など多角的なアプローチを用いて解明できるよう、マウスを用いた衝動抑制行動課題を確立した。特に複数の多点電極を用いたり2光子励起イメージングを用いたりして大規模神経活動記録が行えるよう、頭部固定下の行動課題を採用した。この行動課題では、マウスがすぐに得られる少量の報酬を取りにいく衝動を抑制し、トレッドミル上でじっとしているとランダムな遅延の後に大量の報酬がもらえる。令和二年度に前頭前皮質の中のどの局所部位が衝動抑制に必須かを調べた。前頭前皮質の様々な局所領域を光遺伝学的手法と自動制御の光ファイバーを用い、システマティックに抑制した時の上記衝動抑制課題への影響を調べた。前頭前皮質内側部の最背側部の抑制により、予想に反してマウスがより遅延報酬を待てるようになった。前頭前皮質内側部の最背側部は運動を制御する脳部位が集まっており、ここに待つのを諦めて歩行開始するのを促進する脳領域が存在することが示唆された。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2021 2020
All Journal Article (3 results) (of which Int'l Joint Research: 3 results, Open Access: 3 results)
bioRxiv
Volume: 2021.04.01.438090 Pages: 1-30
10.1101/2021.04.01.438090
Volume: 2020.01.24.919217 Pages: 1-40
10.1101/2020.01.24.919217
Volume: 2020.01.17.909838 Pages: 1-25
10.1101/2020.01.17.909838