Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
本研究では、当講座の精神疾患死後脳バンクにおいて凍結保存された統合失調症死後脳及び新潟大学脳研究所保管の非精神神経疾患対照例の死後脳を測定対象として、細胞内ドパミンシグナル伝達系関連タンパク質をコードしている遺伝子のSNPs(SNPs および稀な遺伝子変異)、脳特異的デノボ変異、コピー数多型(CNV)、主にシトシンメチル化についてのエピジェネティクス解析、及びその遺伝子の mRNA 発現、以上をNGS で調べる。上記で明らかになった脳内分子プロファイルをエンドフェノタイプとし、各々の遺伝子多型と関連を解析する。以上のアプローチを通して統合失調症脳病態を多階層で検証する。
本研究において、福島精神疾患死後脳バンクに凍結保存された死後脳40 例及び新潟脳研保管の健常対照死後脳26 例について、前頭前皮質及び尾状核各50-100mg の採取作業を行い、前頭前皮質39 例(統合失調症23 例、双極性障害 10 例、対照 6 例)についてRNAseq 解析を施行した。近年注目されている統合失調症の神経炎症仮説に着目し、前頭のRNAseq 解析で得られたデータからサイトカインを主とする炎症関連分子8 つのmRNA 発現データを抽出し、その発現パターンに基づいてクラスター解析を行い、統合失調症群を高炎症/低炎症のBiotype に分類した。またELISA 法により前頭前野、上側頭回におけるC4 タンパク質発現量をELSA で測定したところ、C4 のタンパク質発現は高炎症Biotype で高く、特にBA10 では、有意な差を認めた。補体成分であるC4 は、全身炎症疾患においてはサイトカインと同様に代表的な炎症マーカーとして知られるとともに、脳神経発達段階におけるシナプスの刈り込みへの関与が知られており、神経炎症が統合失調症の発症へ至る神経生理学的メカニズムに、C4 による神経の過剰な刈り込みが関与している可能性が示唆された(論文投稿準備中)。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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日本生物学的精神医学会誌
Volume: 30 Pages: 163-167
130007821994
細胞
Volume: 51 Pages: 733-736
http://www.fmu-bb.jp/