Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
本研究は、環境要因を介した代謝調節の変化が、オス生殖細胞系列の分化制御とインテグリティの維持において担う役割を解明することを目的とする。そのために、(i) 様々な環境条件でオス胎仔生殖巣の器官培養を行い、生殖細胞分化の変化を包括的に検証する。(ii) 変化が見られた環境条件に関わる主要代謝酵素遺伝子の機能欠損により生体内での生殖細胞分化への影響を検証する。(iii) 影響が見られた代謝系における変化が分化に影響を与える分子メカニズムの解明に取り組む。本研究の知見を応用したオス胎仔生殖細胞の体外培養条件の最適化を通して、胎仔期生殖巣や多能性幹細胞を用いたオス配偶子の体外培養系の確立に貢献する。
本研究では、胎齢13.5日のオス胎仔生殖細胞で特異的にエネルギー代謝や物質合成が亢進していることに着目し、環境要因を介した代謝調節の変化が、オス生殖細胞系列における精原幹細胞への分化制御とインテグリティの構築において、どのような仕組みでどのような役割を担うかを包括的に解明することを目的とした。そのために、(i) 様々な環境条件でオス胎仔生殖巣の器官培養を行い、各代謝系のオス胎仔生殖細胞分化への寄与を包括的に検証した結果、セリン・グリシン・メチオニン代謝経路がオス生殖細胞の分化に重要な役割を果たすことを見出し、2020年の論文発表につながった。また、(ii) 器官培養において変化が見られたセリン代謝系にさらに着目し、主要代謝酵素遺伝子の生殖細胞特異的ノックアウトマウスにおいて、オス精巣内での生殖細胞分化に異常が認められた。さらにそれらの異常が起こる仕組みについて、(iii)セリン代謝阻害により精巣生殖細胞のエピゲノム状態が変化し、幹細胞性の上昇が見られたことから、精原幹細胞の異常増殖により精細管内での正常な生殖細胞分化が妨げられている可能性を示した。さらに、これらの精巣内での生殖細胞異常が、セリン・グリシン・メチオニンを欠損したような食餌環境でも誘発されるかを検証していく予定である。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2022 2021 2020
All Journal Article (5 results) (of which Peer Reviewed: 4 results, Open Access: 2 results) Presentation (4 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)
Journal of Reproduction and Development
Volume: 68 Issue: 2 Pages: 96-103
10.1262/jrd.2021-137
130008134310
Sexual Development
Volume: 27 Issue: 5-6 Pages: 1-16
10.1159/000520662
Nutrients
Volume: 14 Issue: 7 Pages: 1430-1430
10.3390/nu14071430
Biology of Reproduction
Volume: 105 Issue: 4 Pages: 1069-1069
10.1093/biolre/ioab154
Volume: 103 Issue: 4 Pages: 717-735
10.1093/biolre/ioaa115