Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
疾患や生物学的重要性が既に報告されているUSP14, USP15, CYLDの3種のUSPファミリーの脱ユビキチン化酵素(DUB)を解析対象とし、先行研究で得られたDUB阻害剤について、上記3つのDUBにより高い特異性を示す化合物をIn silico解析によりデザインし、それらの誘導体を有機合成する。得られた誘導体をもとに、申請者独自の DUBパネルを用いた化合物の生化学的評価、および細胞レベルでの解析により特異的阻害剤の開発を進め、種々の阻害剤を用いて上記3種のUSPに対するシグナル伝達および疾患機構の解明を目指す。
申請者は、脱ユビキチン化酵素(DUB)の中でUSPファミリーに属するDUBのみを特異的に阻害する低分子化合物Subquinocinを取得している。そこで本研究では炎症・免疫応答やタンパク質分解に重要な役割を担うUSP14, USP15, CYLDの3種のUSPを解析対象として、Subquinocinの構造展開により、それぞれのUSPに高い特異性を示す低分子化合物の開発を行った。前年度に研究協力者の理化学研究所の本間 光貴先生との共同研究により、東京大学創薬機構が保有する化合物の中からSubquinocinと類似構造を持つ化合物を320種類選抜した。この320種類の化合物について、既に化合物の評価系が構築されているCYLDとUSP15への阻害効果を調べた結果、阻害活性が非常に高い化合物を2種見出し、UI1, UI2と命名した。SubquinocinのCYLDおよびUSP15への阻害率は10マイクロMでそれぞれ10%、30%だったが、UI1は同濃度でUSP15とCYLDの双方をほぼ100%阻害し、UI2はUSP15を80%阻害する結果だった。さらにこれらの化合物のUSPに対する特異性についてDUBパネルを用いて調べたところ、どちらも複数のUSPを阻害するものの、UI1はUSP15の他にUSP11など限られたUSPのみを阻害することが分かった。さらに、培養細胞を用いてこれらの化合物の効果を評価した。USP15はRIG-I依存的なNF-kB経路活性化を亢進することが報告されているが、UI1、UI2のどちらの化合物もRIG-IによるNF-kB活性化を亢進する結果が得られ、これらの化合物は細胞内のUSP15を阻害している可能性が示唆された。またDUB阻害剤の選択性を調べるDUBパネルについても、10種類以上のDUBを追加し、より幅広いDUBで化合物の特異性を評価することが可能となった。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2021 2020 2019
All Journal Article (8 results) (of which Peer Reviewed: 7 results, Open Access: 6 results) Presentation (8 results) (of which Int'l Joint Research: 2 results, Invited: 2 results)
The EMBO Journal
Volume: 40 Issue: 4 Pages: 1-1
10.15252/embj.2020105375
Communications Biology
Volume: 4 Issue: 1 Pages: 80-80
10.1038/s42003-020-01603-y
生化学
Volume: 92 Issue: 1 Pages: 64-74
10.14952/SEIKAGAKU.2020.920064
Biomedicines
Volume: 8 Issue: 6 Pages: 152-152
10.3390/biomedicines8060152
ファルマシア
Volume: 56 Pages: 51-55
130007779025
Biochemical and Biophysical Research Communications
Volume: 524 Issue: 1 Pages: 1-7
10.1016/j.bbrc.2019.12.049
Scientific Reports
Volume: 9 Issue: 1 Pages: 17335-17335
10.1038/s41598-019-53856-1
Journal of Biological Chemistry
Volume: 294 Issue: 38 Pages: 14135-14148
10.1074/jbc.ra119.010119