Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
ユビキチンは約8kDaのタンパク質であり、標的タンパク質の翻訳後修飾基として機能することで、生体内の恒常性維持に寄与することが知られている。ユビキチン修飾形態は多様であり、モノユビキチン化とポリユビキチン化とに大別されるだけでなく、近年の研究により分岐鎖などの新たな修飾形態の存在も明らかになりつつある。従って、ユビキチン修飾が織りなす多様な生命現象を紐解くには、ユビキチン修飾を一連の暗号としてとらえ、その生理的意義を解読することが重要である。そこで本研究では、分子認識能を有する1本鎖核酸であるDNAアプタマーに着目し、ユビキチン修飾を簡便かつ迅速に識別可能な検出系の開発を目的とする。
ユビキチンは低分子量のタンパク質であり、一連の酵素群により連結され、各々特異的な構造と細胞内機能を有する8種類のポリユビキチン修飾を形成する。近年、これらのcanonicalな修飾に加えて、分岐型ユビキチンなどのnon-canonicalな修飾の存在が次々と明らかになりつつある。本研究では、多様化するユビキチン修飾の生理機能の解明に向け、ユビキチン修飾を識別可能なアプタマーの獲得を試みた。2019年度は、ユビキチン認識アプタマーの獲得に向けて、Systematic Evolution of Ligands by Exponential enrichment(SELEX)法の最適化および改変を行った。特に標的の化学的特性の維持と担体への一本鎖DNAの非特異的吸着の抑制に考慮した。これにより固定化方法および担体の組み合わせを最適化し、標的である単量体ユビキチンおよびユビキチン鎖に応じたSELEX法の開発を行った。2020年度は、昨年度に改良したSELEX法を用いて、単量体ユビキチンを認識する81 merの一本鎖DNAを数種類獲得した。これらの一本鎖DNAについてユビキチンへの結合能をゲルシフトアッセイ等により評価した。つづいて、ポリユビキチン鎖を認識するアプタマーの獲得に向け、K48結合型ポリユビキチン(K48Ub)やK63結合型ポリユビキチン(K63Ub)などのポリユビキチン鎖固定化磁気ビーズの作製方法を確立した。これらの磁気ビーズをSELEX法に供し、K48UbやK63Ubに結合する一本鎖DNA候補群を獲得した。以上より、各種ユビキチン鎖に結合する一本鎖DNAの獲得に成功した。結合能や特異性については今後さらなる検証が必要であるものの、本研究により、ユビキチンアプタマーアレイへの応用に向けた基盤を構築することができた。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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http://www.ubiquitin.jp/okada.html
https://www.teu.ac.jp/gakubu/2020.html?id=9