Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
ソフトロボットが微生物などによって土に還ることができる特性、すなわち生分解性を持つことができれば、環境にやさしいロボットとなることが可能となる。生分解性材料は微生物による分解によって刻々と変性する。そのため、生分解性材料によるソフトロボットを実現するためには、その構成材料の分解過程を設計と制御に反映することが重要となる。本研究はこれらを明らかにし、生分解性ソフトアクチュエータの設計法を確立することを目的とする。
前年度に構築した、微生物による分解に対する生分解性材料の機械特性の変化をパラメータとして実装した、ソフトアクチュエータのシミュレーション環境の妥当性を検証するために、実機アクチュエータとの比較実験を行った。アクチュエータは空気の入力によって曲げ変形するものであり、実験の前段階として、本研究で用いている生分解性材料であるゼラチンとグリセロールの混合物に適した構造、形状、および製作工程を明らかにした。シミュレーションとの比較実験では、製作したアクチュエータが0、5、10、15、20、および25%の生分解度を持つような、最適な分解条件を明らかにし、これを適用した。実験の結果、分解度ごとのアクチュエータの曲げ動作の変化の傾向はシミュレーションで予測されたものと同様であることが分かった。また、それぞれの分解度における曲げアクチュエーションの変化量も、高い精度でシミュレートできることが分かった。これは実験値とシミュレーション値の間の決定係数で定量的に判断されたもので、それぞれの分解度で0.997までの高い値が得られた。以上の結果により、生分解性ソフトアクチュエータがどのように変性し、その出力特性がどう変化するのかという、変性機序を明らかにすることができた。そして、それらの挙動を予測するシミュレーション環境の妥当性が明らかになり、生分解性ソフトアクチュエータの設計法の一つとして確立できたことが示された。今後の研究の展開としては、本研究で得られた材料の解析手段や設計法を、様々な生分解性材料に基づくソフトアクチュエータやセンサに適用していくことが挙げられる。なお、本研究においてアクチュエータの構造や製作方法を検討する過程で、非生分解性材料に基づく柔らかいデバイスの知見も副次的に得ることができた。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2021 2020 2019 Other
All Int'l Joint Research (2 results) Journal Article (5 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results, Peer Reviewed: 5 results, Open Access: 2 results) Presentation (9 results) (of which Int'l Joint Research: 3 results) Patent(Industrial Property Rights) (1 results) (of which Overseas: 1 results)
Scientific Reports
Volume: -
Advanced Intelligent Systems
Volume: 3 Issue: 4 Pages: 2000173-2000173
10.1002/aisy.202000173
physica status solidi (a)
Volume: 217 Issue: 9 Pages: 1900891-1900891
10.1002/pssa.201900891
Volume: - Issue: 8 Pages: 2000025-2000025
10.1002/aisy.202000025
Nature
Volume: 572 Issue: 7770 Pages: 516-519
10.1038/s41586-019-1479-6