イネの倒伏耐性機構から学ぶ植物の力学的最適化戦略
Publicly Offered Research
Project Area | Elucidation of the strategies of mechanical optimization in plants toward the establishment of the bases for sustainable structure system |
Project/Area Number |
19H05373
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Complex systems
|
Research Institution | Iwate Biotechnology Research Center |
Principal Investigator |
石川 和也 公益財団法人岩手生物工学研究センター, ゲノム育種研究部, 研究員 (40804703)
|
Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2021-03-31
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2020)
|
Budget Amount *help |
¥9,100,000 (Direct Cost: ¥7,000,000、Indirect Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2020: ¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2019: ¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
|
Keywords | イネ / 倒伏 / 細胞壁 |
Outline of Research at the Start |
イネは、人為的な品種選抜の過程で細胞壁の構成成分や稈の太さや表面積、硬度、柔軟性、細胞の密度などの異なる系統が選抜され、倒伏に対する抵抗性を獲得してきたと考えられる。特に、外国イネは、稈長や稈の太さ、細胞の密度などが明らかに日本の品種とは異なっている。そのため、本研究では品種「ひとめぼれ」と約20 種類の外国イネを交配して得られたイネ交配集団などを用いて稈長や稈の太さ、表面積、硬度、柔軟性などの力学的特性と細胞密度、細胞壁構成成分などの関係、および力学的特性と倒伏耐性との関係を明らかにすることで、倒伏耐性に関する植物の力学的最適値を明らかにする。
|
Outline of Annual Research Achievements |
イネの倒伏は暴風雨によって引き起こされ、収量効率が低下するため品種改良を行う上で非常に重要な形質である。これまでは稈長に関する報告が多かったが、最近では稈の地際に最も近い節間の直径や第1節間のたわみなどに関する報告もある。しかしながら、イネの倒伏に対しての基礎的な知見 (稈の硬さと形のどちらが重要であるかなど) については未解明のことが多い。そこで本研究では、イネの交配集団 (ひとめぼれと外国品種) を用いた解析から倒伏耐性に重要な形質を同定し、イネの倒伏に対する力学的最適化戦略を明らかにすることを目的とした。 イネの倒伏を交配集団を用いてQTL解析した結果、2018、2020年ともに染色体7、8、9番にqtlを得た。また、交配集団の中にはひとめぼれより倒伏耐性の強い交配集団も存在していた。そこで、これらのqtlが稈のどのような形質に関与しているのか解析を行った。その結果、倒伏耐性の最も強い交配集団は、地際に最も近い節間および第1節間の両方においてひとめぼれと比較し、直径が太くなっており断面二次モーメントが大きくなっていた。一方、地際に最も近い節間のヤング率は低下しており、曲げ剛性はひとめぼれと差が認められなかった。しかしながら、最大点荷重はひとめぼれより高い値を示した。第1節間ではヤング率はあまり低下しておらず、曲げ剛性はひとめぼれより高い値を示した。しかしながら、最大点荷重はひとめぼれと比較し差は認められなかった。これらのことから、倒伏耐性が最も強い交配集団はひとめぼれと比較し、稈の断面二次モーメントが大きいために倒伏耐性が強いことが示唆された。 以上より、イネの倒伏耐性において曲げ剛性が同じ場合では、断面二次モーメントが重要であることが示唆された。今後、曲げ剛性と最大点荷重に相関関係が認められなかったため、どの形質が最大点荷重に関与しているのか解析する必要がある。
|
Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Report
(2 results)
Research Products
(2 results)