Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
哺乳類内耳に存在する外有毛細胞は、膜電位に応じて細胞長を伸縮させる生体内圧電アクチュエータとして機能し、音信号を増幅させている。外有毛細胞による電気→運動エネルギー変換効率は、既存の人工圧電素子の約1万倍と非常に高い。この高効率エネルギー変換を担うのはプレスチンという膜タンパク質である。タンパク質の詳細な分子機構解析には遺伝子組換え体の利用が欠かせないが、これまでに活性を保った精製プレスチン遺伝子組換え体は得られておらず、膜電位変化による運動の分子機構は不明であった。本研究ではこのエネルギー変換の仕組みを解明することを目的として、遺伝子操作及び精製可能な新規圧電アクチュエータ分子を創製する。
哺乳類内耳に存在する外有毛細胞は、膜電位に応じて細胞長を伸縮させ、音信号を増幅している。外有毛細胞による電気から運動へのエネルギー変換効率は、既存の人工圧電素子の約1万倍と非常に高い。この高効率エネルギー変換を担うのはプレスチンという膜タンパク質である。すなわちプレスチンは、これまでに研究の進んでいるATPなどの化学エネルギーを利用する多くの生体発動分子とは異なり、電気エネルギーを直接利用して動く生体分子モーターである。本研究課題は、電気エネルギーを用いた外有毛細胞の伸縮運動メカニズムを明らかにすることを目的として、プレスチンの電位感受から構造変化に至る分子機構の解明に取り組んだ。これまでプレスチンの属するSLC26陰イオン輸送体ファミリーはタンパク質間の配列相同性が高いにもかかわらず、プレスチンのみが膜電位を感受し、それを運動へと変換していると考えられてきた。応募者らは、実は他のSLC26タンパク質にも電位感受能があることを示し、その詳細な膜電位感受様式を明らかにした。また独自の電気生理的性質を任意に調節する手法を確立した。これらの成果などから、プレスチンが膜電位を感受する機構については徐々に明らかになりつつある。さらに、感受した電気エネルギーをどのようなプレスチンの構造変化に変換しているのか明らかにするために、プレスチン発現培養細胞などに電気刺激を加えながら、光学顕微鏡を用いてプレスチン分子内のドメインの向きを高精度に計測するシステムを構築した。実際に電気刺激に応じたシグナルの変化を検出でき、プレスチンの構造変化動態を可視化する手法の構築に成功したものと考えている。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Scientific Reports
Volume: 10 Issue: 1 Pages: 1080-1080
10.1038/s41598-020-58070-y
Biophysical Journal
Volume: 118 Issue: 8 Pages: 1930-1945
10.1016/j.bpj.2020.03.012
Current Biology
Volume: 30 Issue: 22 Pages: 4534-4540.e7
10.1016/j.cub.2020.08.078
bioRxiv
Volume: 2020.04.13.039537 Pages: 1-28
10.1101/2020.04.13.039537
http://www.s.u-tokyo.ac.jp/ja/story/newsletter/page/6123/