Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
本研究では、応募者が単分子接合研究で得た知見・技術を、発動分子に適用することで、発動分子におけるエネルギー変換過程を単分子レベルで解明することを目的とする。具体的には発動分子を用いた単一発動分子接合を作製し、エネルギー変換をしているその場で、単一発動分子接合の原子構造、電子状態を決定し、エネルギー変換過程を解明する。得られた知見を発動分子の分子設計に還元することで、高効率の発動分子システムを構築する。
今年度は、金属電極間に架橋した単一発動分子の構造および電極への吸着状態を決定する方法の開発および、単一分子に機械的応力を与えた際の熱起電力の変調について主に研究を展開した。その結果、分子の熱起電力の電極間距離依存性を精密に計測することで、分子ごとの個性を反映した熱起電力の応答性を計測することに成功した。用いた分子は、ジアミノブタン(DAB),ビピリジンBPY、フラーレン(C60),ヘリセンである。単分子の熱起電力は走査型トンネル顕微鏡を用いて、探針と基板間に温度差を与えながら単分子の電流―電圧特性(I-V)を測定することで決定した。具体的には、温度差を変化させながら、I-Vのオフセット電圧を計測し、その変化量から熱起電力を決定した。熱起電力は、DABでは-8μV/K, BPYでは-17μV/K, C60では-10μV/K, ヘリセンでは-9μV/Kとなった。すべての系で熱起電力が負であり、伝導軌道が最低空軌道(LUMO)であることがわかる。応力を与えながら、熱起電力の変化を計測したところ、DAB, BPY, ヘリセンでは押し込むと熱起電力が減少したが、C60は押し込むことで熱起電力が増大することが分かった。熱起電力の変化の方向は、伝導軌道であるLUMOが押し込まれることで、軌道エネルギーが変化することによって説明することができた。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2019
All Journal Article (7 results) (of which Int'l Joint Research: 2 results, Peer Reviewed: 7 results, Open Access: 1 results) Presentation (1 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results, Invited: 1 results)
ACS Appl. Mater. Inter.
Volume: 11 Issue: 30 Pages: 27178-27182
10.1021/acsami.9b05523
J. Phys. Chem. C
Volume: 123 Issue: 11 Pages: 6502-6507
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Chem. Sci.
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120007133390
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Jpn. J. Appl. Phys.
Volume: 58 Issue: 3 Pages: 35003-35003
10.7567/1347-4065/ab0436
210000135468
Nanotechnology
Volume: 30 Issue: 12 Pages: 125202-125202
10.1088/1361-6528/aafc79