Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
ATPアーゼはATPを分解することで生じるエネルギーを用いて,細胞内でさまざまな仕事を行っている.本研究ではATPアーゼの中でも活性部位と呼ばれる,ATPの分解を行い,エネルギーをとりだす起点となる部位に注目する.公共のデータベースを利用し,ATPアーゼの活性部位の構造情報や分子機能の情報を大規模に収集し,網羅的に構造を比較・分類する.得られた構造分類と機能との関係を調べ,どのような形状の活性部位がどのような機能を生むのか,原因と結果の因果関係を調査する.
ATPアーゼはATPの加水分解から得られるエネルギーを利用し,さまざまな仕事を行う蛋白質で,生体発動分子の好例である.加水分解反応の中核を担うのが活性部位であり,その形状(構造)はエネルギー伝搬の結果生じる分子機能(仕事)と関連しているはずである. ATPアーゼの活性部位の構造を網羅的に調べ,分子機能との関係を解析する.どのような構造の活性部位が,どういう仕事を生むのか,原因と結果の因果関係をつきとめる.昨年度までに公共のデータベースを利用し,活性部位の構造が利用可能なATPアーゼを120種ほど収集した.今年度はこのデータを起点に解析を行った.まずは,得られたデータから分解能の良いデータを抜き出し,ATPの加水分解に欠かせない水分子が活性部位の周辺でどのように配置されるかを調べた.特に,加水分解時に水分子が作用するATPのγリン酸との位置関係を重点的に調べた.多くのATPアーゼでは,水分子が特定の配置をよくとることが分かった.また,これらの水分子の周辺環境も特徴的なパターンを持つことが示唆された.ATPの加水分解ではATPだけでなく水分子の配置も重要となる.今回の研究では,ATPと比べるとあまり解析が進んでいないATPアーゼ活性部位での水分子に関する知見を深められた.収集したATPアーゼのデータを格納するデータベースの開発も引き続き行った.ATPアーゼの名称による検索だけでなく,酵素反応を表すEC番号による検索機能も加えた.また,ATPアーゼをその分子機能により分類し,グループごとにATPアーゼをリストアップするインターフェースを作成した.また,結合している基質の情報も付与し,ソートするインターフェースも作成した.機能や基質といった基本的な情報を付加し,それらに簡単にアクセスできるインターフェースを実装することで,データベースの利便性を高めた.
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2021 2020 2019
All Journal Article (3 results) (of which Peer Reviewed: 3 results, Open Access: 2 results) Presentation (5 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)
Acta Crystallogr F Struct Biol Commun
Volume: 77 Issue: 1 Pages: 13-21
10.1107/s2053230x20016829
Protein Science
Volume: 29 Issue: 2 Pages: 564-571
10.1002/pro.3789
Biophysics and Physicobiology
Volume: 16 Issue: 0 Pages: 280-286
10.2142/biophysico.16.0_280
130007752770