Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
発動分子は自ら変形し動くミクロな能動素子と言える.非平衡物理の観点から,こうした発動分子は集積されるだけで,時空間秩序構造を自発的に生みだすことが期待される.本研究では,既に確立された自己駆動粒子集団のモデルであるVicsekモデルを拡張し,平面上の発動分子の集合体を想定した数理モデルを構築する.具体的な拡張方法としては,(A)斥力(B)カイラリティ(C)化学反応の影響を取り入れる.更にμmスケールで同様の性質を持つ実験モデルを作成し,生み出されるダイナミクスをその場観察する.こうして数理モデルと実験モデルを対比させることで実際の発動分子の自己組織的集積手法を明らかにする.
本研究計画ではVicsekモデルを拡張することで,自ら動く分子を組織化する数理メカニズムを探ることを目標とした.2020年度には(1)濃度場を介して運動する粒子系,特に濃度場のソースとなる粒子とその濃度場に応答するだけの粒子が保存力により結合された粒子系に着目した研究を行った.本系で並進運動の速さをパラメータとすることで,直進運動から回転運動に分岐することを見いだした.この研究成果は現在論文として取りまとめ投稿中である.また,(2)交流電場により駆動する粒子系の構築とその数理モデル化を行った,こちらは2種粒子が不釣り合いな実効的引力を及ぼす実験系であるという仮説に基づいた数理モデルを構築した.この数理モデルは実験を半定量的に再現することを確認した.更に,この数理モデルを解析的に計算することで2種粒子をペアとすると,ペアの運動をVicsekモデルと同等の方程式で記述できることも明らかにした.本研究成果に関しては現在投稿論文に取りまとめている.以上に加え,(3)自己駆動粒子の運動特性に右回り,左回りのカイラリティの影響を取り入れた数理モデルも構築した.この数理モデルを利用することで,円形境界におけるedge流のモデル化を行った.本研究成果は共同研究としてProceeding of National Academy of Science誌に採択された.一方, 2020年度に予定していた実験的研究の一部は2021年度に遂行された.2021年度には,(4)in vitro motility assayを応用した自己駆動する微小管とポリスチレン粒子系を混在した実験系を構築した.この系においてVicsekモデルに排除体積を導入した数理モデル相当の挙動が観察された.本研究は引き続き,発動分子領域の公募研究の一部として発展・継続している.
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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All Journal Article (9 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results, Peer Reviewed: 5 results, Open Access: 1 results) Presentation (10 results) (of which Int'l Joint Research: 4 results, Invited: 2 results) Remarks (3 results)
数学セミナー
Volume: 61 Pages: 65-71
Proceedings of the National Academy of Sciences
Volume: 118 Issue: 39
10.1073/pnas.2107461118
Proceedings of the 27 th Symposium on Traffic Flow and Self-driven Particles
Volume: 2021 Pages: 7-10
現代化学
Volume: 608 Pages: 56-59
Physical Review E
Volume: 102 Issue: 4 Pages: 042603-042603
10.1103/physreve.102.042603
130008153211
理大 科学フォーラム
Volume: 417 Pages: 24-29
Journal of the Physical Society of Japan
Volume: -
40022283350
高分子
Volume: 69 Pages: 152-153
https://www.rs.tus.ac.jp/sumino_lab/
https://sites.google.com/site/ysumino/