Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
本研究では、縄文・弥生時代の顔・身体に関わる資料を対象に、1)顔・身体造形の定義・確実度の設定、2)事例集成と資料化による盛衰と変化の様相の把握、3)顔・身体土器とトランスカルチャー状況との関係性の分析を行う。従来特殊な造形品として扱われてきた顔・身体土器の通時的・体系的な研究を行い、トランスカルチャー状況という視点を加えることに特色・独創性がある。本領域全体の視座や近年の多角的研究動向との融合により「新たな顔・身体の考古学(物質文化研究)」の構築へと発展することで、本領域が目指す総合領域としての「顔・身体学」に深みを与えることが可能となる。
縄文時代~弥生時代の土器にしばしば認められる顔面や手足などの身体装飾をもった土器を「顔身体土器」と呼称して、その出現背景をモデル化するのが本研究の目的である。特に、本学術領域で示された「トランスカルチャー状況」という社会背景に出現するという仮説の検証を意図した。顔・身体という目立つ装飾が社会的にいかなる意味を持っていたのか。全体会議を続ける中で、本領域では唯一歴史的な視点で検討するという意義や、人間の顔ではなくモノに表現された顔がいかなる意味を持っていたのかという点でも顔身体学全体で不足している部分を担っているという領域内での位置づけを確認した。本年度までに、縄文時代後期、晩期の主要資料を集成し、出現背景を含む一定のモデルを作成した結果、顔身体土器の出現が一般の土器なども地域間で流動的になる時期に合致する可能性を確認し、各地の文化が混在する状況を想定しえた。また、顔身体土器の関連資料として、儀礼用の異形土器や性象徴に関わる大形石棒の検討も進めた。以上の成果は『季刊考古学』での短報、研究代表者がコーディネートした考古学研究会東京例会の口頭発表、千葉県下ヶ戸貝塚例を起点とした報告書論考などに部分的に発表しているが、期間内に調査できなかった詳細未報告資料の図化・3D化データとあわせて、今後総括的な論考を計画している。但し、コロナ禍で十分な現地調査ができなかったものの、数点については3Dデータを作成し、実測図も作成した。また、本学術領域計画班の心理学者や、新学術領域「出ユーラシア」の他地域を専門とする考古学者と顔身体土器の比較研究に関する検討会を開催し、今後の共同研究への足掛かりを得た。次年度以降、3Dデータを用いた顔身体装飾に対する認知などを含めた共同研究を計画予定である。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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All Journal Article (8 results) (of which Open Access: 5 results, Peer Reviewed: 2 results) Presentation (2 results) (of which Invited: 1 results) Remarks (2 results)
下ヶ戸貝塚Ⅹ 総括報告書
Volume: -
縄文時代
Volume: 33
季刊考古学
Volume: 155 Pages: 84-88
第54回考古学研究会東京例会「土器からみた縄文時代後期後半の地域間関係と社会 -深鉢・注口土器・異形台付土器・香炉形土器-」発表要旨
Volume: - Pages: 1-12
日本考古学
Volume: 51 Pages: 93-100
40022648662
考古学研究
Volume: 77(2) Pages: 56-58
40022379246
越佐補遺些
Volume: 19 Pages: 23-25
利根川
Volume: 42
https://researchmap.jp/kousaku-n/kaoshintai-doki/
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