Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
本研究課題ではトポロジカル材料の光学的応答に注目する。トポロジカル半金属における光学的応答の微視的機構は結晶構造の対称性や非自明なベリー曲率といった幾何学的な概念と密接に関係することが知られているが、トポロジカルな物性と自明なバルクバンド構造による寄与の分離について考慮する必要がある。現状としてトポロジカルバンド構造による光学的応答のはっきりした証拠はまだ得られていない。従って、本研究では新規材料の設計を目指した数理解析の応用可能な実験計測法を提案する。具体的には、電子輸送特性と組み合わせた革新的な光学特性の計測法の開発を行い、光学的計測法による物性のトポロジーの観測を実現する。
本研究提案では、固体物性におけるトポロジーと数学的概念のリンクとなる量子光学計測法の実験の発展を目標としている。今年度はファンデルワールス物質にモアレ超格子を導入し、電子物性が劇的に変化させることで相関現象やトポロジー現象の出現を観測できるか試みた。ファンデルワールス磁性体で試したところ、非同軸状態やドメイン構造を示したが、その操作は限定的であった。さらに、その研究を発展させ、二層反強磁性体CrI3を用いた素子を作製し、磁気光学カー効果顕微鏡により、モアレ磁性の特徴である非ゼロの純磁化で反強磁性秩序と強磁性秩序が共存していることを示した。さらに、電圧による磁気スイッチングと線型磁電効果も実証した。その他には、ファンデルワールス磁性体のヘテロ構造を作製し、磁気秩序や量子現象を検証した。垂直磁気異方性と面内磁気異方性を持つ層状反強磁性体CrI3とCrCl3のヘテロ構造を作製し、光磁気カー効果顕微鏡を用いて、CrI3に近接したCrCl3層における面外磁気秩序と、両者の間の強磁性界面結合を明らかにした。さらに、保磁力を電場によって大きく制御できることも明らかにした。この現象は、ヘテロ構造の構造反転対称性が崩れ、電場と界面磁性の結合が直接可能になったことに起因していると思われる。これらの成果は、ファンデルワールス物質のヘテロ構造によるものであり、スピントロニクスデバイスへの設計応用にもつなげることが期待できる。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2022 2021 2020
All Journal Article (3 results) (of which Int'l Joint Research: 3 results, Peer Reviewed: 1 results, Open Access: 1 results) Presentation (7 results) (of which Int'l Joint Research: 7 results, Invited: 4 results)
arXiv
Volume: - Pages: 1-24
Volume: - Pages: 1-14
AIP Advances
Volume: 11 Issue: 1 Pages: 015321-015321
10.1063/9.0000114