Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
本研究は,ソフトクリスタルの構造相転移におけるミクロスケール熱特性の測定とその可視化・解析の方法論の開拓により,ソフトクリスタルの熱物理の解明および物質機能創製への提案を行うものである.ソフトクリスタルに誘起される動的相転移過程の熱物性の精密測定,非弾性散乱によるフォノンスペクトルの測定,熱・赤外分光同時イメージングによる熱応答分布の可視化等により,化学・物理構造変化と熱現象の相関を解析し,ソフトクリスタルの相転移の起源の解明に熱物理の観点から挑む.ソフトクリスタルの熱的機能発現の機構を解明することで,分子構造探索・試作のための創製技術の一般化や体系化に関する提案を行うこが可能となる.
本研究は,ソフトクリスタルの外場(光・温度・力学場)応答による動的過程の熱物性の異方性発現に注目し,ミクロ・ナノスケール熱物性新規測定方法論の開発と,ソフトクリスタルの熱物理と相転移の学理解明を目指した.①フォスフォTWA法(蛍光温度波熱分析法),②フォスフォTWAイメージング法の開発,においては,蛍光色素(ローダミンB/CdSe/ZnS量子ドット)の変調レーザー照射誘起蛍光スペクトルの温度依存性を利用し,試料内を伝播する温度波を光電子増倍管またはCCDカメラにより高感度に検出し,ロックインアンプにより位相を測定することにより,熱拡散率を求める方法論を確立した.蛍光スペクトルによる温度波応答検知の可能性を確認し,MEMS回路と併用することで,非接触ミクロスケール熱拡散率測定法を構築した.③MEMS型μ-TWA法の開発,においては,マスクレス露光装置を用いた光リソグラフ・リフトオフ法による回路描画により,複合型温度センサーを作製し,センサー線幅数μm程度での高空間分解能・熱拡散率測定,温度走査下測定への適用を可能とした.④化学発光イメージングTWA同時測定法の開発を行い、化学発光のメカニズムを,蛍光団を導入したアダマンチリデンアダマンタン1,2-ジオキセタンの 結晶化学発光特性と熱物性の相関から明らかにした.⑤ミクロ単結晶の非弾性X線散乱(IXS)測定,では,テレフタルアミド (TPA)単結晶のα,β相転移のIXS測定のため,ペルチエ型試料保持・温度可変ステージをSpring8_BL35に設置・設計し, 12個のアナライザーを使用し,12個の移行運動量(Q)のスペクトルを同時に測定し,meVエネルギー・スケールでのソフトクリスタルのダイナミクス:フォノン(素励起)分散関係の実験的観測と相転移の学理解明を進めた.
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2022 2021
All Journal Article (5 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results, Peer Reviewed: 5 results, Open Access: 4 results) Presentation (5 results)
Anal. Sci.
Volume: 38
Bulletin of the Chemical Society of Japan
Volume: 95 Issue: 3 Pages: 413-420
10.1246/bcsj.20210445
Appl. Phys. Lett.
Volume: 119 Issue: 25 Pages: 251902-251902
10.1063/5.0055707
Journal of the American Chemical Society
Volume: 143 Issue: 23 Pages: 8866-8877
10.1021/jacs.1c03588
Applied Sciences
Volume: 11 Issue: 16 Pages: 7632-7632
10.3390/app11167632