Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
細胞内でタンパク質や小分子・核酸などが過渡的に油滴状の分子夾雑環境(コアセルベート)を形成し、細胞内反応の制御に大きな役割を果たしていることが近年わかってきた。また、神経変性疾患を始めとする様々な疾患とコアセルベートの関連性が報告され、今後コアセルベートが新しい創薬ターゲットとなると予想される。本研究ではDroplet microfluidics を用いたコアセルベートへ網羅的解析プラットフォーム構築に向け、コアセルベート入りマイクロ水滴作成法を確立する
近年、細胞内でタンパク質や小分子・核酸などが過渡的に10 nm - 数μmサイズ液状集合体(コアセルベート)を形成し、細胞内反応の制御に大きな役割を果たしていることがわかってきた。in vitroにてコアセルベート実験を行う場合、コアセルベート同士の合一が原因となりそのサイズは数十μm以上になってしまい、コアセルベートのサイズ依存的挙動についての解析が困難だった。本研究では、コアセルベートの機能のサイズ依存性を明らかにするとともに、サイズ・形状を制御したコアセルベートで網羅的に実験するプラットフォームの構築を目的とする。昨年度までに、ゲル中でコアセルベートを作成する手法を確立した。コアセルベート同士の合一による成長を抑制し、微小コアセルベートの長時間観察が可能になった。本年度は、ゲル中に固定した数 μmのコアセルベートからのアミロイド核形成速度の計測を行った。アミロイド線維形成は、多くの疾患に関連していることが知られている。近年、細胞中のアミロイド前駆タンパク質のコアセルベートからアミロイド核が形成されることが示唆されており、コアセルベートからのアミロイド核生成速度が計測できれば、疾患発症メカニズムの理解や創薬アッセイへの応用が期待できる。本研究では、酵母プリオンタンパク質Sup35のNMドメイン(Sup35NM)をモデルタンパク質として使用した。Sup35NMのコアセルベートをゲル中に作成し、共焦点顕微鏡で観察したところ、約3 -10 μm程度のコアセルベートからアミロイドが形成する様子が確認できた。画像解析を用いて、Sup35コアセルベートからのアミロイド核生成速度を算出することができた、約3 -10 μmのサイズ域では、核生成速度はサイズによらずおおよそ一定であることが分かった。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2022
All Patent(Industrial Property Rights) (1 results)