Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
本研究では、癌遺伝子タンパク質であるRasの細胞内活性がin vitroとは異なる要因を明らかにすることを目的とする。まず、ノックアウト細胞を利用して特定の細胞内因子の影響を見積もる新規in-cell NMR手法を確立し、得られた結果に基づいた数理モデル解析により特定の細胞内因子の活性を定量的に明らかにする手法を確立する。また、Rasの活性に影響を及ぼす細胞内タンパク質をプロテオーム解析により探索し、上記で開発したin-cell NMR法を適用して細胞内でRasの活性を制御する細胞内要因を明らかにする。
これまでのIn-cell NMR解析から、細胞内におけるRasの加水分解速度定数(khy)は細胞内制御因子の寄与によりin vitroよりも上昇していることが明らかとなっている。一方、G12VやQ61LなどのRas変異体の多くは、RASA1などのGTPase活性化タンパク質(GAP)に対する感受性が失われることが知られている。したがって、細胞内で観測されたRas変異体におけるGTP加水分解速度の上昇には従来のGAPとは異なる因子の寄与が存在することが示唆される。そこで今年度は、GAP非感受性Ras変異体のGTP加水分解速度を上昇させる細胞質内因子の探索を行った。まず、HeLaS3細胞質画分のうち30-50 kDaの画分にG12Vのkhyを上昇させる因子が含まれることが判明した。さらに、この30k~50kDaの分子量画分についてショットガンプロテオーム解析を行った結果、低分子量GTPase RAB35に対するRABGAPであるTBC1D13を含む883種類のタンパク質群を同定した。TBC1D13と同様にRAB35を標的とするRABGAPである EPI64がRASに対しても活性を有することが報告されていることから、この分子が発がん性RAS変異体に対して加水分解促進効果を与える可能性を検証した。リコンビナントTBC1D13のRASG12V変異体に対する加水分解促進活性を解析した結果、本来のRASGAPやその他のGTPaseをターゲットとするGAPと異なり、RABGAPであるTBC1D13がRASのG12V変異体に対して一定の加水分解促進活性を有することが明らかになった。(学術変革(A)との重複制限により年度途中で廃止)
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2021 2020 Other
All Int'l Joint Research (2 results) Journal Article (6 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results, Peer Reviewed: 4 results, Open Access: 1 results) Presentation (6 results) (of which Invited: 2 results) Remarks (2 results)
Journal of Chemical Information and Modeling
Volume: 61 Issue: 5 Pages: 2396-2406
10.1021/acs.jcim.1c00167
Volume: 61 Issue: 9 Pages: 4571-4581
10.1021/acs.jcim.1c00505
細胞
Volume: 53 Pages: 352-355
生化学
Volume: 93 Pages: 819-823
40022783951
Cell Reports
Volume: 32 Issue: 8 Pages: 108074-108074
10.1016/j.celrep.2020.108074
Crystal Growth & Design
Volume: 21 Issue: 1 Pages: 297-305
10.1021/acs.cgd.0c01136
https://www.p.chiba-u.jp/lab/bukka/index.html