Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
本研究では、第一原理計算に基づく現実的な相互作用を「色分子動力学」に反映させ、クォーク=ハドロン相転移を数値計算によって再現し、明らかにする。このような高密度高温状態は、中性子星合体やブラックホール形成時に現れると期待されている。このため、研究代表者らの研究によって、相転移の影響が重力波やニュートリノ観測としていかに現れるか検証するための、物質の役割を提言する。ただし、本研究手法は必然的に計算量が膨大になるために、目標を完遂するためにはGPUやCPUの並列計算が必須である。
色分子動力学にもとづく状態方程式を作成した。計算データをもとに、温度ゼロ、荷電中性とベータ平衡の条件を課すことで中性子星の構造計算が可能となり、重力波等の観測結果と比較検討することも可能となった。現在は、論文発表へ向けて最終的な計算を行っている。本研究の最も困難な点は、計算コストである。幸いにも本研究費によってGPUアクセレレータを購入することができた。それによって、本研究の計算コードをGPU並列化することに成功した。現在では新たに再開発したこのコードを、日本原子力研究開発機構のスーパーコンピュータ(SGI8600)で実行することで、1日で状態方程式を1本作れるようになっている。これは同コンピュータによるCPU並列計算の10倍以上の速さに高速化したことになる。しかしながら、これでも依然として計算コストは大きいと言わざるを得ない。なぜなら観測結果や実験結果を満足する状態方程式を得るには、用いた相互作用を少しずつ変化させていき、最適な形や強さを探る必要があるためである。簡単に言うと、パラメータサーチが必要でありながら、本研究は1日1パラメータセットしか試すことができないのである。これまでに130セット以上の計算を行ってきたが、全ての制限を満足する状態方程式を得るにはもう少し追加計算が必要である。本研究は摩擦冷却法を採用しており、有限温度からゼロ温度までの計算を追っているためにQCD相図に必要なデータはすでに得られていると言って良い。ゆえに上述した現実を再現する最適な相互作用が見つかりさえすれば、大きな問題なく相図を作成できる。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2022 2021 2020 Other
All Int'l Joint Research (3 results) Journal Article (4 results) (of which Int'l Joint Research: 3 results, Peer Reviewed: 4 results) Presentation (7 results) (of which Int'l Joint Research: 3 results, Invited: 3 results)
Phys. Rev. C.
Volume: 105 Issue: 1
10.1103/physrevc.105.015804
Butsuri
Volume: 76 Issue: 10 Pages: 637-645
10.11316/butsuri.76.10_637
130008101525
Phys. Rev. C
Volume: 103 Issue: 5
10.1103/physrevc.103.055812
Physical Review D
Volume: 102 Issue: 2 Pages: 23031-23031
10.1103/physrevd.102.023031