Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
弱磁場の中性子星と恒星の近接連星系、Low Mass X-ray Binaryは、定常重力波源の最も有力な候補とされているが、その探査のためには、電磁波の観測から降着による中性子星の自転周期や、その降着による変動等の情報を得ることが必要とされる。そこで本研究は、新規の超小型衛星と、既存の国際宇宙ステーションに搭載された全天X線監視装置MAXIとX線望遠鏡NICERによる、X線帯域での観測体制を整え、定常重力波の検出の一番乗りを目指す。
本研究の目的は、2つの新たなX線ミッション、NinjaSatとOHMAN(On-orbit Hookup of MAXI and NICER)を推進することで、低質量X線連星(LMXB)からの定常重力波の検出を電磁波観測からサポートすることである。当該年度におけるNinjaSat計画の進捗は、実際に宇宙に打ち上げるガスX線検出器(GMC)のフライトモデル(FM)の製作を行い、コリメータ、ガス検出機、アナログ回路部の開発と性能評価、デジタル回路制御ボードのソフトウェアの開発を行い、実際にキューブサットの1Uサイズ(10立方センチメートル)に収まる、FMの製作に成功した。FM品の質量は1.1 kgであり、消費電力は約1.5 Wで動作が可能である。また、衛星の打ち上げ時の振動を模擬した振動試験、宇宙空間での環境を模擬し検出機の動作の健全性を確認する熱真空試験を行い、問題がないことを確認した。OHMANにおける進捗は、国際宇宙ステーション上の計算機で動作させるMAXIのデータから突発天体を発見する探査システムの長期試験を地上で行った。また、NICER側のソフトウェアはNASAゴダード宇宙飛行センターが担当するため、インターフェース部分で問題が起きないよう密に打ち合わせを行いながら動作確認を行い、問題が無いことを確認した。ISS上のネットワークの接続なども完了し、OHMANは2022年春にスタートすることができる状態にまで進んだ。また、OHMANで観測が期待されるLMXBからのスーパーバーストに関して、過去の観測データの解析を行い、X線バーストによって生成された重元素によるものと考えられるスペクトル構造に関して論文を発表し、OHMANはLMXBの周期を探査するだけでなく、陽子過剰な重元素の生成プロセスを調べる上でも有用なミッションとなることを示した。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2022 2021 2020 Other
All Int'l Joint Research (2 results) Journal Article (2 results) (of which Int'l Joint Research: 2 results, Peer Reviewed: 1 results, Open Access: 1 results) Presentation (17 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)
Publications of the Astronomical Society of Japan
Volume: 73 Issue: 5 Pages: 1405-1417
10.1093/pasj/psab085
Proceedings of the SPIE
Volume: 11444 Pages: 170-170
10.1117/12.2561152