Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
原始重力波はその振幅がインフレーションのエネルギースケールで決まっているので、もし近い将来に検知されれば、それは新しい高エネルギー物理の解明につながる。しかし、通常のシナリオでは原始重力波は小スケールにいくほど振幅が小さくなるので、宇宙背景放射の観測で検知出来なければ、重力波干渉計による検知は不可能である。これに対し私は最近、有質量重力子理論に基づき、通常とは逆に小スケールにいくほど原始重力波の振幅が大きくなる模型を提唱した。これにより、重力波干渉計で最初に初期宇宙の情報が得られる可能性が切り開かれたので、私はさらにこの興味深い模型の現象論を追求していきたいと考えている。
本研究は、有質量重力子理論によって生成される原子重力波について理論的側面と現象論的側面の2つに大別できる。現象論的側面については、昨年度に発表論文``Inflationary gravitational waves in consistent D to 4 Einstein-Gauss-Bonnet gravity"を執筆し、原始重力波の非ガウス性が生じる興味深いモデルの提案ができていたので、今年度は理論的側面の方に重点をおいた。具体的には2020年度の計画に含めていた「有質量重力子理論における質量項の減衰時の振る舞いに対する自然な模型の構築」についてbigravityに基づいたモデル構築を試みた。その結果、望ましい重力子の質量項の振る舞いを得るために、パラメータの微調整が必要なこと、2つの重力子の相互作用が他の現象にも影響を与えてしまうことなどの問題点が明らかになった。また、やはり昨年度に発表した論文``Universal upper bound on the inflationary energy scale from the trans-Planckian censorship conjecture"で、原始重力波を用いて超弦理論の低エネルギー有効理論に基づくインフレーションのエネルギースケールに対して一般的な制限を与えていたが、そこに含まれる超弦理論的初期宇宙モデルの現象論についても調べた。具体的には3階の反対称テンソルで与えられるH-fluxがフェルミオンと相互作用している模型は有質量重力子理論と数学的構造が似ており、超弦理論との関連から最近注目されているが、そのモデルにおける磁場生成について考察を行った。結果として標準的な模型に比べるとよりたくさん磁場が生成されることを定性的には示せており、他の磁場生成模型との識別可能性まで考えたい。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2022 2021 2020
All Journal Article (2 results) (of which Int'l Joint Research: 2 results, Peer Reviewed: 2 results, Open Access: 2 results) Presentation (3 results) (of which Int'l Joint Research: 3 results, Invited: 1 results)
Journal of Cosmology and Astroparticle Physics
Volume: 2021 Issue: 01 Pages: 054-054
10.1088/1475-7516/2021/01/054
Physical Review D
Volume: 102 Issue: 2 Pages: 021301-021301
10.1103/physrevd.102.021301