Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
C-H官能基化は単純で入手容易な原料から直接的に高付加価値化分子を合成する有力な手法として広く研究されている。しかしそれによって生じる立体化学の制御は依然として大きな課題である。本研究ではC-H官能基化に高い活性を示す第9族遷移金属触媒(Co, Rh, Ir)と、キラル有機触媒を組み合わせることで、エナンチオ選択的なC-H官能基化反応の開発をおこなう。特にこれまでC-H官能基化に用いられてこなかったタイプの有機触媒を用い、新しいコンセプト、反応機構に基づく反応の開発を目指して研究をおこなう。またこれまで開発されてきたキラルカルボン酸との組み合わせによる高度な立体制御にも挑戦する。
最終年度にあたる本年は主に研究のとりまとめをおこなった。まずロジウム触媒とキラルLewis塩基触媒を用いた不斉C-H官能基化では、基質一般性の検討をおこない、様々なベンジルアミン誘導体および不飽和アシルフルオリドにおいて高いエナンチオ選択性が発現することを見出した。また反応機構解析実験等から、当初想定していたものとは異なる反応機構でエナンチオ選択性が発現していることが示唆された。想定されたエナンチオ決定段階についてDFT計算をおこない、その立体選択性の立体モデルを提唱することができた。またホウ素触媒を用いた不飽和カルボン酸への付加反応についても、基質一般性の拡張をおこなった。キラルな配位子を利用した不斉付加反応も検討したが、いずれの場合でもエナンチオ選択性は発現しないことがわかり、DFT計算による想定中間体構造から、より深い不斉反応場を構築する必要があることが示唆された。また以前報告したハイブリッド型ロジウム/キラルスルホン酸触媒についても検討も進め、エナンチオ選択的な分子内不斉オキシアミノ化反応に適用可能であることがわかった。またこれまでは第9族遷移金属触媒と有機触媒の組み合わせのみを検討していたが、アキラルなルテニウム触媒とキラルカルボン酸の組み合わせも優れたハイブリッド不斉触媒系となることを見出し、スルホキシイミンの非対称化型の不斉アルキル化・環化反応において、中程度のエナンチオ選択性を発現することを見出した。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2022 2021 2020
All Journal Article (9 results) (of which Int'l Joint Research: 2 results, Peer Reviewed: 9 results, Open Access: 1 results) Presentation (13 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results, Invited: 2 results)
Chemical Communications
Volume: 58 Issue: 1 Pages: 76-79
10.1039/d1cc05956d
Journal of the American Chemical Society
Volume: 144 Issue: 3 Pages: 1370-1379
10.1021/jacs.1c11665
Volume: - Issue: 16 Pages: 7058-7065
10.1021/jacs.2c01223
Synthesis
Volume: - Issue: 21 Pages: 4703-4710
10.1055/a-1588-0072
ACS Catalysis
Volume: 11 Issue: 24 Pages: 15187-15193
10.1021/acscatal.1c04699
Volume: 11 Issue: 5 Pages: 2663-2668
10.1021/acscatal.0c05261
120007191784
Volume: 11 Issue: 7 Pages: 4271-4277
10.1021/acscatal.1c00765
Nature Catalysis
Volume: 3 Issue: 10 Pages: 851-858
10.1038/s41929-020-00513-w
Organic Letters
Volume: 22 Issue: 21 Pages: 8256-8260
10.1021/acs.orglett.0c02872