Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
我々は,遷移金属触媒とルイス酸性金属 触媒を複合的に利用する協働触媒によって初めて進行する C-H あるいは C-C 結合官能基化反応をこれまでに多数創出してきた。これらは,従来の配位性配向基に依存する C-H 官能基化や,小員環歪みの解放を利用した C-C 結合活性化のように「反応基質の工夫に頼る研究」とは一線を画す成果であり,「触媒の工夫」によって不活性結合の直截的変換を実現している点が特長である。本研究では,この協働触媒系をさらに発展させ,より広範な基質および反応に展開して,反応加速と同時に反応サイト・立体選択性を精密制御するための一般的手法の確立を目指す。
キラルルイス酸/Ir協働触媒による脂肪族含窒素複素環のβ位選択的不斉C(sp3)-Hホウ素化反応において、基質適用範囲の拡大 と、反応速度論実験による律速段階の同定に成功した。より具体的には、アザビシクロ[3.1.0]骨格を有する基質の橋頭位不斉ホウ素化にはじめて成功した。リン酸/キラルパラジウム協働触媒によってアゾベンゼンからC-H活性化およびN=N活性化を経て1段階で2,2’-ジアミノ-1,1’-ビアリールを生じる反応について基質適用範囲の拡大と反応機構の検証を行なった。具体的には、非対称構造を有する2,2’-ジアミノ-1,1’-ビアリールや、従来法では難しかった2,2’-ジアミノ-1,1’-ビフェニルの不斉合成に成功した。反応機構に関しては、キラルリン酸触媒の立体化学が生成物の立体化学に全く影響を及ぼさないことを明らかにした。したがって本反応のエナンチオ選択性は、パラジウム触媒上の不斉配位子によって制御されるものと結論した。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (10 results) (of which Int'l Joint Research: 3 results, Invited: 10 results)
Angewandte Chemie International Edition
Volume: 62 Issue: 23
10.1002/anie.202300704