Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
優れた有機合成反応の開発は,医薬品等の開発研究においても大変重要である。研究代表者は,キラルリン酸がキラルブレンステッド酸として優れた不斉触媒能を示すことを2004年に見出し,その後数多くの不斉触媒反応を開発してきた。また,世界的にもキラルリン酸を用いた不斉触媒反応が活発に研究され,極めて多くの種類の不斉触媒反応が開発されている。一方,近年,光酸化還元触媒を用いた可視光駆動型の合成反応が大きな注目を集めている。本研究では,光触媒反応とキラルリン酸触媒反応を組み合わせ,協働触媒として用いることにより,これまでにない新たなハイブリッド触媒系の構築を目指す。
光学活性化合物には,エナンチオマー間で異なった生理活性を示す場合が多く,一方のエナンチオマーを選択的に合成する不斉触媒反応の開発は,有機化学における重要な研究課題の一つである。研究代表者は,キラルリン酸がキラルブレンステッド酸として優れた不斉触媒能を示すことを2004年に見出し,その後数多くの不斉触媒反応を開発してきた。 本研究においては,キラルリン酸と光触媒を協働的に用いることにより,新たなハイブリッド触媒系を開発し,これまでに達成することのできなかった,新規な不斉触媒反応の開発を目指して研究を進めた。2021年度は,2-アルキル置換ベンゾチアゾリンをアルキル供与体として用いて,光酸化還元触媒およびキラルリン酸存在下,可視光を照射することにより,イミンに対するアルキル基の移動反応が効率良く進行し,対応する付加体が良好な収率かつ高い光学純度で得られることを見出した。さらに,精査した結果,光酸化還元触媒は不要であり,光照射することによりキラルリン酸のみでアルキル移動反応が効率良く進行することがわかった。反応機構解析により,キラルリン酸により活性化されたイミンに対し光照射することにより,励起され,酸化剤として働き,ベンゾチアゾリンへの一電子移動を経て進行していることを明らかにした。すなわち,求電子性のイミンが光により励起され酸化剤としての働きを持つようになったことがわかった。本反応はベンジル基の移動反応に効率的であることがわかった。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2022 2021 2020 Other
All Journal Article (7 results) (of which Peer Reviewed: 7 results, Open Access: 2 results) Presentation (6 results) (of which Int'l Joint Research: 3 results, Invited: 2 results) Remarks (2 results)
Synthesis
Volume: 54 Issue: 17 Pages: 3793-3800
10.1055/s-0040-1719879
ACS Catalysis
Volume: 12 Issue: 9 Pages: 5209-5216
10.1021/acscatal.2c00993
ACS Organic & Inorganic Au
Volume: 1 Issue: 1 Pages: 23-28
10.1021/acsorginorgau.1c00007
Bulletin of the Chemical Society of Japan
Volume: 94 Issue: 12 Pages: 2962-2966
10.1246/bcsj.20210322
130008144727
The Journal of Organic Chemistry
Volume: 85 Issue: 19 Pages: 12715-12723
10.1021/acs.joc.0c01872
Beilstein Journal of Organic Chemistry
Volume: 16 Pages: 2442-2447
10.3762/bjoc.16.198
ChemCatChem
Volume: 12 Issue: 19 Pages: 4784-4787
10.1002/cctc.202000920
https://www.chem.gakushuin.ac.jp/akiyama/
http://www.chem.gakushuin.ac.jp/akiyama/