Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
本研究では、結合切断起点型の触媒的脱芳香族的アルキル化を開発することで、汎用構造体であるハロアレーンを高度に置換された脂環式化合物へ変換する新規合成法の実現を目的とする。申請者はこれまでにハロアレーンの脱芳香族的官能基化反応を開発した。しかし、現状、アリル求核剤以外の反応剤の適用が困難である。本研究では新たにエステルなど、広範なカルボニル化合物を求核剤とすることを手法へ展開する。本反応の鍵中間体であるPd-O-エノラートの生成を促進する有機・遷移金属ハイブリッド触媒系の確立を基軸とし、本研究目的の達成を目指す。
前年度、新型コロナ禍で一部補助金を繰越した。延長期間も含めて、当該年度では様々な求核剤を用いるハロアレーン類の脱芳香族的二官能基化の開発研究を行った (1:分子内アミンを求核剤とするハロアレーンとジアゾ化合物との脱芳香族的アザスピロ環化反応、2:単純カルボニル化合物を求核剤とするハロアレーン類とジアゾ化合物の脱芳香族的二炭素官能基化)。1に関しては、前年度に早々に反応条件を確立できたため、本年度では基質一般製の拡大と応用展開をした。アミノアルキル基をもつブロモフラン、ブロモチオフェンなどのヘテロール類に加え、ナフタレンなどのベンゼノイドを用いても反応が進行し、対応するアザスピロ環が高収率で得られた。ブロモフランより得られるアザスピロ環は酸触媒による転位反応を経て、様々な有用なアザスピロ化合物へ導くことができた。2の研究に関しては、最適な条件の探索に苦戦したものの、従来条件では適用できなかった単純カルボニルを反応剤としても反応が進行する改良条件の端を見出すことができた。2に関しては、前年度見出した条件を用いて基質一般性の検討をした。その結果を受けて、条件の再検討をし、求核剤に応じて適切な触媒が全く異なる触媒の特異性を見出した。求核剤の遷移金属触媒への配位力と、触媒のもつ空き配座の調製が重要であることが明らかになり、本知見は今後の研究において大いに役立つ知見である。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2021 2020
All Journal Article (5 results) (of which Peer Reviewed: 5 results, Open Access: 3 results) Presentation (12 results) (of which Int'l Joint Research: 2 results, Invited: 3 results)
Journal of Synthetic Organic Chemistry, Japan
Volume: 79 Issue: 1 Pages: 11-21
10.5059/yukigoseikyokaishi.79.11
130007966738
Journal of the American Chemical Society
Volume: 143 Issue: 27 Pages: 10333-10340
10.1021/jacs.1c04215
ACS Catalysis
Volume: 11 Issue: 16 Pages: 10429-10435
10.1021/acscatal.1c02627
Chemical Science
Volume: 11 Issue: 33 Pages: 8779-8784
10.1039/d0sc02881a
Volume: 10 Issue: 17 Pages: 9856-9871
10.1021/acscatal.0c02990