Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
外部環境の変化に対応する代謝アダプテーションでは、遺伝子発現を介した代謝酵素の量的制御が行われる。遺伝子発現は、転写因子による転写調節とRNA結合タンパク質(RBP)による転写後調節(RNA分解調節等)のバランスで決まる。転写後調節の分子機構を解明するためには、解析対象となる多数のmRNAに結合するRBPを網羅的に同定することが重要であるが、この実現は困難であった。本研究では個々のmRNAに結合するRBPを網羅的に同定する新規手法Transcriptome-RBPome Interaction Analysis pipeLine(TRIAL)を開発する。さらに、TRIALを用いて低酸素に応答した代謝アダプテーションを転写後制御(RNA分解制御)の観点から解明する。
本研究では、低酸素ストレスに応答した転写後遺伝子発現制御(特にRNA分解制御)に着目した低酸素応答の代謝アダプテーションの機序解明を目指した。まず、長期低酸素条件下でヒト培養細胞を培養し、遺伝子発現が持続的に変動することを確認した。次に、RNA-seq法とSLAM-seq法によって長期低酸素したヒト培養細胞におけるRNA合成と分解を同時測定した。その結果、約200種類の遺伝子について、それらのRNA分解が抑制され、RNA発現量が増加していることを示す結果を得た。RNA分解が抑制され、かつ発現量が増加した遺伝子群は、代謝関連遺伝子が多かった。この結果は、低酸素に応答したヒト細胞の環境適応的な代謝変化(代謝アダプテーション)がRNA安定性によって制御されていることを示す結果である。つぎに、これらのRNAの安定性を担う機構を明らかにするべく、低酸素特異的に上述のmRNAに結合するRNA結合タンパク質をスクリーニングした。方法はeRIC法を採用した。その結果、複数の候補分子を得た。現在、これらのRNA結合タンパク質が代謝関連mRNAの安定性を制御する詳細な分子機構を調べている。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2022 2021 Other
All Int'l Joint Research (1 results) Journal Article (2 results) (of which Int'l Joint Research: 2 results, Peer Reviewed: 2 results, Open Access: 2 results)
International Journal of Molecular Sciences
Volume: 23 Issue: 1 Pages: 496-496
10.3390/ijms23010496
RNA Biology
Volume: 18 Issue: sup1 Pages: 537-547
10.1080/15476286.2021.1971439